“肉の味を覚えたクマ”が人を襲うおそれも 繁殖期の5~6月は「共食い」が多発するほどで特に危険!【相次ぐクマ被害】
ツキノワグマ「スーパーK」による被害…クマの胃袋から人間のもとのみられる肉片
8年前には、「ツキノワグマとしては最悪」と言われる被害事例がありました。2016年、秋田県鹿角市で大型のオスグマ「スーパーK」とそのグループに襲われたとみられる4人が相次いで死亡。グループ内のメスグマの胃袋から人間のものと見られる肉片が発見されました。スーパーKとは人を襲ったクマを識別するためにつけられた呼び方です。 この鹿角市で今年5月18日、60代男性を捜索中の警察官2人がクマに襲われて大けがをし、現場付近で男性の遺体が発見されました。ただ、現場にクマがいる可能性が高いため、遺体の搬送が難航。車が通行できるよう林道が整備され、22日、男性が行方不明になってから1週間後に遺体が搬出されたということです。
関西でもクマ被害のリスクあり…理由は「イノシシ」
環境省によりますと、2023年度のクマによる人身被害は198件(219人うち死亡6人)。統計がある2006年度以降で最多です。 関西での人身被害はあまりなく、あっても府県あたり年に数件で、統計では死亡者は出ていません。ただ、米田所長によりますと、関西はイノシシが多く、このイノシシをきっかけに肉食のクマが増える可能性はあるということです。何かのきっかけでイノシシを食べたクマが肉の味を覚える危険性、さらにイノシシの罠にかかったクマがパニックに陥って人を襲うなど、関西でも決してリスクはゼロではないと指摘します。 米田所長はクマによる被害の現状について、再び人を襲わないように分析して「駆除」するということが大切だとしています。ただ、むやみに野山にいるクマを駆除することに米田所長は賛成ではなく、むしろ反対されています。しかし、“人の肉の味を覚えてしまった”クマや、イノシシやシカの肉の味を覚えてしまったクマはまた人を襲う可能性があるため、そういったクマ、子グマ、さらにはグループのクマを特定し駆除する必要はあるとしています。一方で、ピンポイントでこのようなクマを駆除するのは難しいようです。