B’zの“平成”が橋本環奈と蘇る 朝ドラ『おむすび』を彩る主題歌「イルミネーション」に期待
B’zの新曲「イルミネーション」が、橋本環奈がヒロインを務める2024年度後期のNHK連続テレビ小説『おむすび』の主題歌に決定した。 【写真】『おむすび』の主題歌を担当するB’z NHK連続テレビ小説第111作目となる『おむすび』。その世界観を音楽で表現するのが、B’zの「イルミネーション」だ。タイトルから想像される明るさと、B'zらしいパワフルなサウンドが、物語をより魅力的に彩ることだろう。 連続テレビ小説、通称「朝ドラ」の歴史は半世紀を超え、いまや日本の朝に欠かせない存在となっている。その長い歴史の中で、数々の視聴者の記憶に刻まれてきたのが心に響く主題歌だ。 朝ドラの主題歌はヒロインの心情を映す鏡のような役割を担う側面もある。現在放送中の『虎に翼』では、米津玄師の「さよーなら またいつか!」が、男性社会の法曹界に挑むヒロイン寅子(伊藤沙莉)の葛藤と決意を歌い上げ、シシヤマザキによるポップなアニメーションとの相乗効果で、視聴者の心を掴んで離さない作品となった。 過去には、女性陶芸家の先駆者を描いた『スカーレット』ではSuperflyの「フレア」が炎と才能の二重の意味を込めて物語を彩り、北海道を舞台にした『なつぞら』ではスピッツが「優しいあの子」で厳しい冬を経た夏の輝きを表現。さらに『おかえりモネ』では、BUMP OF CHICKENの「なないろ」が気象予報士を目指すヒロインの姿と自然の美しさを軽やかに描き出した。 『おむすび』は、平成元年生まれのヒロイン・米田結の物語だ。彼女の“ギャル魂”を軸に、栄養士としての奮闘を描く平成青春グラフィティーとして期待を集めている本作。そんな平成ノスタルジーあふれる作品の主題歌をB’zが担当することになった背景には、バンドの歴史と数々の名作ドラマを主題歌で彩ってきた彼らの実績が垣間見える。 B’zは平成の時代と共に歩み、数々のドラマ主題歌を手がけてきた。彼らのドラマタイアップ初挑戦は、まさに平成元年。TBS系ドラマ『ハイミスで悪かったネ!』のエンディングテーマ「君の中で踊りたい」だった。それ以来、木村拓哉と常盤貴子が共演して社会現象にもなったドラマ『Beautiful Life ~ふたりでいた日々~』(TBS系)の「今夜月の見える丘に」や、『あなたの隣に誰かいる』(フジテレビ系)の「アラクレ」など、まさに平成のドラマ史を彩り続けてきたと言っても過言ではない。 中でも特筆すべきは、2009年の「イチブトゼンブ」だろう。フジテレビ系月9ドラマ『ブザー・ビート~崖っぷちのヒーロー~』の主題歌として起用された本曲は、最高視聴率17.5%を記録。CD売上は37万枚を突破し、社会現象とも言える人気を博した。爽やかさ溢れるロックナンバーは、山下智久と北川景子が演じる主人公たちの恋模様に寄り添い、視聴者の心を掴んだ。 「イチブトゼンブ」の歌詞に込められた、〈愛し抜けるポイントがひとつありゃいいのに〉というメッセージは、恋愛だけでなく人生全般に通じる普遍的な力強さを持つ。この曲に代表されるB’zの音楽性――聴く人の勇気や前進する活力を呼び覚ます力強いサウンド――は、朝ドラが描こうとするヒロイン像と見事にマッチしているのかもしれない。 『おむすび』のヒロイン・米田結が、栄養士として人々の心と未来を結んでいく姿。そこにB’zの新曲「イルミネーション」が重なれば、どんな化学反応が起こるだろうか。 朝ドラの主題歌は、半年かけて一つの時代を作る。視聴者は、この曲を通じて平成を追体験し、現在を生き、未来を想像する。『おむすび』が紡ぐ物語とB’zの音楽が重なり合うとき、そこには確かに、新しくも懐かしい“平成”が立ち現れることだろう。
すなくじら