“106万円の壁”撤廃へ…手取り減る人も、週20時間労働で厚生年金 メリットは?【Nスタ解説】
井上貴博キャスター: 働いた分、保険料を納めて後々年金として受け取ってくださいということなのでしょうが、今、手元に手取りが欲しいという方からすると批判的になるのも当然だと思います。 ただ、今の最低賃金で週20時間以上働くと、概ね106万円に到達します。そのため、そもそも壁の意味はあるのでしょうか。そういった部分も含めて、もう少し丁寧に説明していただきたいです。 元競泳日本代表 松田丈志さん: 最低賃金も少なからずこの30年間で上がってきています。そういう意味では、そもそも制度の作り自体が古いということもあるかもしれません。また、働かない方が手取りが増える仕組みはそもそもおかしいのではないでしょうか。頑張ったら頑張った分、報われる社会でないと社会としての活力が出てこないのではないかと思います。 ■週20時間労働で厚生年金 手取り減でも…メリットは? 良原キャスター: では、社会保険に「入る」「入らない」どちらがお得なのでしょうか。 ファイナンシャルプランナーの塚越菜々子さんによりますと、「万が一の時の保障が手厚くなるので、長い目で見ると加入した方がお得」ということです。 【社会保険加入のメリット】 ▼国民年金に加えて、厚生年金がもらえるため、将来もらえる年金額が増える ▼病気・けがで休業の場合、給与の3分の2が支給される ▼障害年金や遺族年金が手厚くなる 良原キャスター: 一方で、スーパーアキダイの秋葉社長によると「うちのパート従業員全員が社会保険に加入となると、年間約1800万円が会社の負担になる」ということです。厚生年金の50%は加入者負担ですが、残る50%は会社が負担するものです。 ファイナンシャルプランナーの塚越菜々子さんによりますと、「パートの働く時間を少なくしようとする企業が出てくるかもしれない」という懸念もあるということです。 井上キャスター: 確かに会社側の負担も考えてということになるのだろうと思いますが、理念としても“働き控え”になるのではなく、頑張った人が頑張った分だけ対価をもらえ、頑張って働いた分、年金・保険料を納めることは当然というところに立ち戻るシステム作りは大切なのかもしれません。