【オーストラリア】〔政治スポットライト〕米新政権との関係構築、ダットン党首に信頼
オーストラリアの調査会社フレッシュウオーター・ストラテジーが行った最新の世論調査で、「オーストラリアの国益についてトランプ次期米大統領と交渉するのに適した指導者は」という質問に、ダットン自由党党首とした人は47%で、アルバニージー首相(36%)を大きく上回ったことが分かった。ダットン党首は来年5月に予定されている連邦総選挙に向け、支持率を維持している。オーストラリアン・ファイナンシャル・レビュー(AFR)が報じた。 調査は有権者1,046人を対象に11月15~17日に行われ、トランプ氏再選による影響について見通しを聞いた。 米国のオーストラリアへの対応については、36%が「より好意的になる」、29%が「より好意的でなくなる」、26%が「変化はない」と予想した。 オーストラリア経済については「悪くなる」が42%で、「良くなる」が27%、「影響はない」が22%、「分からない」が9%だった。 環境については、2050年までに温室効果ガス排出量をゼロにするという各国の目標が達成される可能性が「低くなる」が60%、「影響はない」が17%、「高くなる」が10%だった。与党労働党は30年までに05年比で排出量を43%削減するという目標を掲げているが、35年目標は次期選挙後に発表するとみられている。野党は「高い目標値を設定するなら選挙前に公表するべきだ」として攻撃している。 ■保守連合勢いも過半数は厳しいか 11月の二党間支持率は最大野党保守連合(自由党・国民党)が51%と7月以来労働党(49%)へのリードを維持している。 業績に対し満足だとする回答から不満足だとする回答を差し引いた純評価は、ダットン党首がマイナス4で、アルバニージー首相(マイナス17)より高い支持を得ている。 ただ、保守連合の支持率は過半数を獲得するには不十分で、選挙に勝利しても少数政権となる可能性が高い。 有権者の最大の懸念は依然生活費(77%)で、次いで住宅(42%)だった。どちらも問題対応について保守連合への支持が労働党を上回っている。