運命はここで決まる!? 日程変更で最終戦ではなくなったスーパーGT第8戦もてぎ……タイトル争いの状況をおさらい
11月2日、3日に、モビリティリゾートもてぎでスーパーGTの第8戦が行なわれる。これが泣いても笑っても2024年のシーズンフィナーレ……のはずだったが、9月1日決勝予定だった第5戦鈴鹿が台風の影響で12月開催にずれ込みシーズン最終戦になったため、もてぎ戦は実際のところ7戦目ということになる。 【動画】2024 スーパーGT第7戦オートポリス:決勝ハイライト(GT500) スーパーGTではシーズン7戦目がサクセスウエイト係数半分の“ハーフウエイト戦”、そして8戦目(最終戦)がウエイトなしの“ガチンコ勝負”になるというフォーマットだが、今回の日程変更により、もてぎ戦はノーウエイト戦ではなくハーフウエイト戦で行なわれることになった。 モビリティリゾートもてぎは、ブレーキングと加速を繰り返す“ストップ&ゴー”のレイアウト。そのため、サクセスウエイトによる重量増の影響、燃料流量リストリクターによるパワーダウンの影響を受けやすいとも言われる。実際、コロナ禍の2020年、2021年にウエイトありで開催されたもてぎ戦は共に、ランキング上位でウエイトを多く積む車両は苦戦した傾向にあった。昨年のハーフウエイト戦である第7戦オートポリスはタイトルコンテンダーが優勝を争ったが、今回のもてぎ戦はそうもいかないのではないだろうか。 したがって、今回のもてぎ戦でビッグポイントを獲得し、ランキング上位との差を一気に詰めて最終戦鈴鹿に乗り込むチームがあってもおかしくな状況と言えるが、ここでGT500、GT300各クラスのランキング上位をおさらいしよう。 GT500 ポイントランキング上位10傑(第7戦オートポリス終了時点) 1.坪井翔/山下健太(#36 au TOM'S GR Supra)53ポイント 2. 笹原右京/ジュリアーノ・アレジ(#37 Deloitte TOM'S GR Supra)51ポイント 3. 山本尚貴/牧野任祐(#100 STANLEY CIVIC TYPE R-GT)51ポイント 4. 高星明誠/三宅淳詞(#3 Niterra MOTUL Z)46ポイント 5. 石浦宏明/大湯都史樹(#38 KeePer CERUMO GR Supra)41ポイント 6. 千代勝正/ロニー・クインタレッリ(#23 MOTUL AUTECH Z)40ポイント 7. 関口雄飛/中山雄一(#39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra)39ポイント 8. 平峰一貴/ベルトラン・バゲット(#12 MARELLI IMPUL Z)36ポイント 9. 大嶋和也/福住仁嶺(#14 ENEOS X PRIME GR Supra)32ポイント 10. 野尻智紀/松下信治(#8 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT)26ポイント GT500クラスに関しては、計算上はまだ多くのチーム、ドライバーに王座の権利が残されている状態。例えばランキング10番手の野尻/松下組や、同点の11番手につける17号車Astemo CIVIC TYPE R-GTの塚越広大/太田格之進らは、トップと30点近い差がありかなり厳しい状態にあるが、例えば今回のもてぎ戦でウエイトの軽さも活かしてポール・トゥ・ウインを飾って23点を積み増し、尚且つライバルが下位に沈むという展開になれば、一気に戦いを振り出しに戻せる可能性がある。 また最終戦の舞台である鈴鹿は、空力開発の成果か、今季はトヨタ・GRスープラ勢速さを見せているコース。今回のもてぎ戦で坪井/山下組や笹原/アレジ組、石浦/大湯組らが上位フィニッシュを勝ち取れば、最終戦に向けて大きな追い風になるかもしれない。 GT300 ポイントランキング上位5傑(第7戦オートポリス終了時点) 1. 蒲生尚弥/篠原拓朗(#65 LEON PYRAMID AMG)69ポイント 2. 堤優威/平良響(#2 muta Racing GR86 GT)64ポイント 3. 小暮卓史/元嶋佑弥(#88 VENTENY Lamborghini GT3)53ポイント 4. 藤井誠暢/チャーリー・ファグ(#777 D'station Vantage GT3)49ポイント 5. 荒聖治/ニクラス・クルッテン(#7 Studie BMW M4)35ポイント 一方のGT300は既にタイトルコンテンダーは絞られている印象。優勝2回、2位1回の蒲生/篠原組と、優勝1回、2位2回の堤/平良組が大きく抜け出しており、前戦オートポリスで優勝した小暮/元嶋組らがかろうじて食らいついている状態だ。 ただ平良は、もてぎ戦では2号車mutaをはじめとするGTA-GT300車両(かつて“JAF-GT”と呼ばれた車両)勢が重量の影響を受けて苦戦するだろうと予想している。一方GT3勢の一角である88号車ウラカンの元嶋は、もてぎには自信があるとコメント。昨年のもてぎ戦は、優勝が88号車ウラカン、2位が65号車AMG……2号車にとっては“我慢”のレースになってしまうのか。 いよいよ今週末に控えたスーパーGTもてぎ戦だが、前売チケットは好評発売中。チケットの購入や、イベントの詳細確認などはモビリティリゾートもてぎの特設サイトから。
戎井健一郎