〈ベネッセアートサイト直島〉で三分一博志が改修した家屋〈またべえ〉にて新作展示が公開。
「私も豊島のボルタンスキー作品《ささやきの森》に最も感銘を受けました。制作の引き金になった強烈な体験が2人とも同じアーティストであったことに驚かされます。美しく壮大な自然現象に対し、異なるアプローチが重なり合うことで、多様に気付き合うことができるのではないでしょうか」(ヤン・ヘギュ)
「シンガポール美術館協働企画 ベネッセ賞アーティスト作品展示」
〈ベネッセハウス ミュージアム〉では、シンガポール・ビエンナーレでのベネッセ賞受賞アーティストの作品を展示する。4名の現代アーティストが空間に合わせて再構成した作品や直島の人々との協力により制作した新作は見応え十分だ。
ベネッセ賞は1995年に「福武書店」が社名変更したことを機に、企業理念「ベネッセ=よく生きる」の考察につながる作品制作が期待されるアーティストを顕彰、支援を意図して開始したもの。2016年からは2022年までの2回にわたり、シンガポール・ビエンナーレの参加アーティストに授与し、その受賞者の作品を紹介する展示だ。
また〈ベネッセハウス ミュージアム〉のペインティングルームでは、主要コレクションであるジャン=ミッシェル・バスキアやサイ・トゥオンブリーなどの作品の展示替えが行われているので、そちらもお見逃しなく。 直島は2025年春には、安藤忠雄の設計による新たな〈直島新美術館〉開館を控え、同時に『瀬戸内芸術祭2025』も予定されている。ビッグニュースに向けて、盛り上がりを見せる直島に訪れる理由はたくさんあるのだ。
《Ring of Fire-ヤンの太陽&ウィーラセクタンの月》
〈またべえ〉香川県香川郡直島町本村844。月~木曜休。11時~日没の90分前。夜は開館カレンダーを参照。鑑賞料金 昼700円、夜オンライン購入1,800円、窓口購入2,000円。夜は予約優先。
『シンガポール美術館協働企画 ベネッセ賞受賞アーティスト作品展示』
〈ベネッセハウス ミュージアム〉香川県香川郡直島町琴弾地。~2025年1月5日。8時~21時。無休。鑑賞料金1,300円(15歳以下、ベネッセハウス宿泊者は無料)。
text_Rie Nishikawa editor_Keiko Kusano