ブロードコム、AI需要が成長促進と予想-他分野の低調さ補う
(ブルームバーグ): アップルなど大手ハイテク企業に半導体を供給するブロードコムは、人工知能(AI)投資が今年、予想を上回るペースで成長を促すとの見通しを示した。ただ他分野の需要低迷が半導体売上高の重しとなっている。
7日の発表資料によると、2023年11月-24年1月(第1四半期)の半導体部門売上高は73億9000万ドル(約1兆900億円)で、アナリスト予想の77億ドルを下回った。だが2024年度の通期売上高見通しは500億ドルと、同社の従来予想並みだった。
AIブームがブロードコム製品の需要を後押ししているが、同社は通信など一部分野の低調な販売への対処を迫られており、これが半導体事業の重荷となってる。一方、同社のインフラ向けソフトウエア売上高はアナリスト予想を上回った。
ホック・タン最高経営責任者(CEO)はアナリストとの電話会見で、AI投資が今年、堅調に推移するだろうと述べた。2024年度の同社の半導体売上高に占めるAI向け割合の見通しを35%と、従来の25%から引き上げた。
発表を受け、ブロードコムの株価は通常取引後の時間外取引で一時約1%安。見通しが市場予想に届かなかった同業マーベル・テクノロジーの株価も時間外取引で下落した。同社もAI投資の恩恵を受けていると見られてきた。ブロードコムの株価は年初来では7日の通常取引終値時点で26%上昇。
ブロードコムは、AI向けの大規模言語モデルの学習に使用される、エヌビディア型のチップは製造していないが、重要なネットワーキング部品供給やカスタムチップ設計業務を手掛ける。このため、同社はAI作業を処理する大型データセンターにとって不可欠な存在だ。
半導体売上高は予想を下回ったものの、タンCEOは、自社ネットワーク製品に対するAIデータセンターの需要は旺盛で、同社のカスタムAIチップはクラウドコンピューティングの大手プロバイダーからの引き合いが強いと指摘。これらが「当社の半導体分野の成長をけん引している」と発表文で言及した。