ラーメン官僚に聞く、ラーメン二郎はなぜ熱狂的人気なのか?「コスパがいい、日常の特別感」
誰が作っているかが重要~蒙古タンメン中本
もうひとつ、聞いてみたいのは蒙古タンメン中本についてだ。関東を中心に多くの店舗を構えるが、「オープン〇周年」というイベントの際などは熱烈なファンが始発から並び、社長や副社長との撮影会があったりと「推し活」さながらの光景が見られるらしい。中本の魅力はどこにあるのだろう? 「二郎と中本との違いは、二郎は店ごとにコンテンツや味を変えることが許容されているけれど、中本は、少なくとも蒙古タンメンなどの定番商品については、どこで食べてもあまり違いがないということです。例えば二郎だと、直系44店舗の中でも、目黒店はスープが透き通っているけれど、他店では濁っていたり乳化している。野菜の入れ方や麺の太さも違う。先に直系の二郎しか食べないリピーターの話をしましたが、彼はその違いがあるから生きていけるんです。僕からしたら全部同じジャンルだとも思うんですけど(笑)。ただ、そんな中本のファンが重要視するのは、”誰が作ってるか”なんです」 人なのだ。 「中本の魅力は、ファンに言わせると”都度調理のメニューがある”ということなんです。五目味噌タンメンや味噌卵麺などは、注文の都度、一から調理しますので、誰が作るかで全然味が変わるという。社員が異動になると、その人についていくという傾向もあるようです」 中本の世界、それはそれで独自の深さがあるようだ。 そんなラーメン官僚に、令和6年の最先端ラーメン事情を聞いてみよう。 「最近はスープの技術が極限まで上がってきて、今は麺で差別化する時代になっています。自家製麺を使うお店が増えていて、そうなると麺を食べさせる類のラーメンが美味くなっていく。だから今、つけ麺がブームになっている。これは論理的に言えることなんです」 【後編】ラーメン官僚が語る、失われた30年とラーメン30年史「素材の価格高騰、ウクライナ問題も」は下の関連記事からご覧ください。
ENTAME next編集部