無関心でいいはずないよね…若者も社会も考え始めた「そうだ! 選挙へ行こう」の仕掛け 店舗内カラフルに投票所へ導く矢印サイン 「選挙割」導入店も増える
超短期決戦となった衆院選投開票日の27日に向け、鹿児島県内では投票率アップを目指す取り組みに追い込みがかかる。学生らは投票所を案内する矢印看板「投票所あっちじゃっど」の設置に奔走。投票すると割引などの特典を受けられる「選挙割」の導入店も増えている。関係者は「選挙を身近に感じ、参加する人が増えてほしい」と願う。 【写真】〈別カット〉投票所の方向を示した矢印を掲示する飲食店=23日、鹿児島市の天文館
「親子で投票所に入れます」「1票の重さ」-。鹿児島市の天文館を歩くと、メッセージ付き矢印マークが飲食店などに掲示されている。カラフルな矢印は近くの投票所の方角を示す。 学生を中心とする全国組織のNPO法人「ドットジェイピー」が、日常に選挙が溶け込む風景をつくろうと企画。鹿児島支部の学生約10人が依頼し、約10店舗に取り付けた。鹿児島大学1年の村田緋々樹さん(19)は「投票所は地域の多様な人が集まり、社会のあり方を考える場。仲間を増やしたい」。27日は矢印看板を持ち天文館などを練り歩く予定だ。 選挙割の取り組みも広がる。「JA鹿児島きもつき農畜産物直売所どっ菜市場」(鹿屋市)は投票済証や投票所の看板前で自身を撮った写真を見せれば、生肉が表示価格の1割引きとなり、27日まで何回でも適用できる。牧和博店長(41)は「投票率の低いエリアと知り初めて参加を決めた。どれくらい貢献できるか楽しみ」。
「ビヨウシツチャーリー」(薩摩川内市)はカットなどをする際、ヘッドスパかトリートメントを11月15日まで無料にする。永原嘉文店長(41)は「自身も昔は関心がなかったが、投票してみると関心が湧いた。サービスを知り投票に行こうかなと言ってくれた人もいた」と明かす。 「選挙割協会」(東京)によると、2017年衆院選に比べ、前回21年は2倍以上の約2000店が参加。22年参院選は約2500店まで増えた。都道府県別の参加店一覧サイトを開設し、鹿児島県内は約40店が登録している。 選挙権のない17歳以下が模擬投票し選挙割を利用できるアプリも作成した。佐藤章太郎代表理事(51)は「家族で主権者教育に取り組む機会になれば。選挙のイメージがポジティブになり、投票に行くのが当たり前の世の中になってほしい」と期待する。
南日本新聞 | 鹿児島