真似などできない! 石塚英彦が尊敬する”食レポの師匠” 大物グルメレポーターの凄すぎる神業
私が尊敬する二人の師匠についてのお話です
みなさん、ごきげんよう。すっかり涼しくなりましたね。半袖から厚手の半袖に衣替えしましたか。石塚英彦です。今回は「食レポ」についてです。 ″衝撃的なコスプレ写真″が話題!石塚英彦が″石炭″やジバニャンに…?【写真】 最近、テレビを観ていますと、「グルメ」を扱った番組が多いですね。またその番組の中でも、「グルメレポーター」を職業とする方々のみならず、タレント、アイドル、俳優さんなど幅広くいろいろな方がグルメレポートされています。みなさんそれぞれ個性があり、独特の視点でレポートなさっていて、どなたのレポートも楽しく拝見しております。 最近よく、「若いタレントさんにグルメレポートを伝授して欲しい」というお仕事をいただきます。しかし、はっきり申し上げて、伝授するものは何もございません。むしろ人からグルメレポートを伝授されると、その方の個性や世界観を失ってしまいます。 料理の見せ方や店内での立ち位置など技術的な部分は教えることができますが、料理の見た目、味、食感の表現に決まりはないのです。レポーターの数だけ表現が違う。そこがおもしろいと、私は思います。そんな中で、私が特にお気に入りの方々をご紹介させていただきます。 まずは、阿藤快さん。阿藤さんとは、生前に何度か旅番組でご一緒させていただきました。阿藤さんは、とにかく距離を詰めるのが早かった。「おかあちゃん」という声かけから入り、気がつくと「おかあちゃん」の隣に座っていた。 阿藤さんは背が高いので、地元の方との身長差を考えると、横に座るほうがカメラのフレームにもおさまりやすいのです。横に座ることで「おかあちゃん」も親しみをもって接してくれるし、いい意味で俳優のオーラを消し、一瞬にして同じ町内の「おじさん」になれる。そんな阿藤さんから、もっとたくさんのことを教えていただきたかったです。 二人目はヨネスケ師匠。ご存知「突撃! 隣の晩ごはん」というコーナーを続けてこられた師匠です。以前、ヨネスケ師匠と私の二人で″どちらが早く一般の方のお宅にお邪魔し、食事をいただけるか″を番組で競ったことがあります。先攻は、私。 まず「こんばんは」と玄関で挨拶し、番組の主旨などをご説明し、了承を得るまでに3分。リビングに上がらせていただき、家族構成やお父さんの仕事、お子さんの部活などをたずねつつ、やっと台所でお母さんから晩ごはんを一口。スタートから20分は経過しておりました。 続いてヨネスケ師匠。「こんばんは~隣の晩ごは~ん」と言いながら、既に靴を脱いでいる。「旦那は~」と言いながら台所へ。まだ晩ごはんの仕度中だったのを見て食卓へ。食卓の上の漬物を一口食べてゴール。その間1分30秒。まさに神業です。戦いを終え、師匠は私に言いました。 「石塚く~ん、勝負は、家選びから始まってるんだよ。僕は家を見て、呼吸してるかしてないか、わかるんだよ。呼吸していない家は、留守か、居たとしても撮影を断られるんだよ」 どれだけの場数をふんだら「家の呼吸」がわかるようになるのか。ヨネスケ師匠の背中が、とてつもなくデカく見えました。ほかにも、ロケ中に出会った小学生にも敬語をつかうウド鈴木さんや、とにかく自然体のレポートでおなじみの照英さんなども、私は大好きです。 みなさんも、ご自分のお気に入りのレポーターを見つけて下さい。もちろん、石塚英彦もお忘れなく。 『FRIDAY』2024年11月22・29日合併号より 文・イラスト:石塚英彦 ’62年、神奈川県生まれ。恵俊彰とのコンビ「ホンジャマカ」で活動、「元祖!でぶや」(テレ東系)などのバラエティに加え俳優や声優としても活躍。現在、「よじごじDays」(テレ東系)に金曜MCとして出演のほか、YouTubeやInstagramにも注力している
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