ガムテープで巻いた即席ドレスも ラグジュアリーを再定義する「バレンシアガ」
ブラジャーの山をアップサイクル
終盤にはアップサイクルのテーマがさらに加速し、ランジェリーとカットアップしたTシャツをつなぎ合わせたルックなどが登場。フィナーレガウンは無数のブラジャーを積み重ねたアヴァンギャルドなデザインになっており、ここでもクリストバルのシルエットをさりげなく引用した。「これはジャンクか、高級品か」という問いが観客の脳内でリフレインする。
24/7 マスクなど話題の小物たち
コレクションの核を担ったのは、エッジの効いたアクセサリーだ。耳の部分に穴が開けられたフェイスシールドアイウェア「24/7」とLEDピアスがフューチャリスティックなムードを加速させ、黒いビーニー帽は周囲のノイズから自らを遮断するかのように目の下まで引き下げられた。商品タグ風のレザーアクセサリーやダストバッグ風のドレスなど、ユーモラスな演出も随所に見られた。 デムナが「ヴェトモン(VETEMENTS)」のファーストコレクションを発表し、業界に旋風を巻き起こしてから10年目。目まぐるしく変化を続ける世界で、ファッションとは、ラグジュアリーとは、スタイルとは何なのか。クリエイティビティこそが“希少性”を意味するものであり、バレンシアガの一貫したアンサーであると今回のコレクションは強く主張するかのようだった。そしていくつものルックがそうであったように、彼の創作はまだまだラディカルに“現在進行形”なのだろう。
ジュヨンや三吉彩花など豪華ゲストも来場
フロントロウにラフ・シモンズ(Raf Simons)の姿が見られたほか、会場には多くのゲストが集った。ブランドアンバサダーである女優のイザベル・ユペール(Isabelle Huppert)と「PP」の愛称で知られるタイのクリット・アンムアイデーチャコーン(Krit Amnuaydechkorn)をはじめ、「ザボーイズ(THE BOYZ)」のジュヨン(JUYEON)、三吉彩花、kemioも来場。キム・カーダシアン(Kim Kardashian)、アメリア・グレイ(Amelia Gray)、サルマ・ハエック(Salma Hayek)、セリーナ・ウィリアムズ(Serena Williams)、アシュリー・グラハム(Ashley Graham)らも駆けつけ、ブランドの世界観に没入した。