「ポン酢」に奮起 3安打の広陵・真鍋慧が完全復調へ センバツ
◇センバツ高校野球第10日(29日)準々決勝 ○広陵(広島)9―2専大松戸(千葉)● 【広陵vs専大松戸を写真で】 二塁ベース上でガッツポーズする姿が様になる。広陵の3番・真鍋慧(けいた)が2本の二塁打を含む3安打2打点。「ボールに(バットの)強さが伝わった。状態はいい。80~90%ぐらい」。完全復調に手応えをつかんだ。 一回に専大松戸の最速151キロ右腕・平野大地のカーブを右前にはじき返して「結構楽になった」。二回1死一、三塁では代わったばかりの2番手左腕・渡辺翼の直球を中堅フェンス直撃となる適時二塁打。四回2死二塁ではカーブを十分に引きつけて、軽々と中堅手を越える適時二塁打を再び放った。 八回は7点差ありながらも申告敬遠され、「この点差で来るとは思わなかった。打ちたかった」と思わず苦笑いも浮かべた。 初戦の2回戦は3安打1打点だったが、3回戦は海星(長崎)の技巧派左腕にタイミングが狂い、無安打に終わった。準々決勝前日の練習では腰付近につけたチューブを引っ張ってもらい、体が前に突っ込まずに、しっかりとフォームにタメを作ってスイングできるように修正を施した。その結果、海星の技巧派左腕と似たようなタイプにもしっかり対応できていた。 高校通算50本塁打を超え、米大リーグで歴代最多本塁打を放ったバリー・ボンズさんにちなんで、愛称は「ボンズ」。だが、中井哲之監督からは無安打だった3回戦の後、「状態は良くない。しょっぱいですね。『ボンズ』じゃなくてポン酢ですよ」といつものように皮肉られていた。 「悔しいのでプレーで見返してやる」と強い気持ちを持っていた真鍋。中井監督も「(今日は)ボンズ。日替わりじゃいけないですけど」とたたえた。 中心打者のバットに復活の兆しが見え、打線も13安打で9点を奪い快勝した。20年ぶりのセンバツ優勝に向けて着実に前進している。【藤田健志】