アメリカの投資家の間でビットコイン現物ETFの需要が拡大
9月26日のアジア取引時間の前半、ビットコイン(BTC)は6万3000ドルを上回る水準で推移し、1.4%下落したものの、ビットコイン現物ETF(上場投資信託)への資金流入が依然として好調であることから、週次では2%上昇した。 中国が苦戦を強いられている経済を支援する能力を高めるため、大手国営銀行に最大1兆元(約21兆円、1人民元=21円換算)の資本を注入することを検討しているとの報道を受け、アジアの株式相場は急騰した。 これは、中国人民銀行(PBOC)が本土の銀行に対する預金準備率を50ベーシスポイント(bps)引き下げ、また、中央銀行が商業銀行から資金を借り入れる際の金利である7日物リバースレポ金利を20bps引き下げて1.5%とした、週初めの緩和的な決定に続くものだ。 SoSoValueのデータによると、BTC現物ETFの1日当たりの純流入額は2日連続で1億ドル(約145億円、1ドル=145円換算)を突破した。これは5日連続の純流入を意味する。 CryptoQuantのデータによれば、ETFの30日間の純保有量を追跡する指標が9月に初めてプラスに転じ、売却ではなく蓄積の傾向が高まっていることを示唆している。 #Bitcoin spot ETF demand has rebounded, with the 30-day net change in total holdings turning positive. pic.twitter.com/c0C8BaFPDq — Ki Young Ju (@ki_young_ju) September 26, 2024 一方、イーサリアム(ETH)は2600ドルを上回る水準で取引されており、この日は1.3%下落したが、週次では8%上昇している。データによると、イーサリアム現物ETFの純流入額は4300万ドル(約62億3500億円)となり、2日連続でプラスとなった。 プレスト・リサーチ(Presto Research)は最近のメモで、ネットワーク取引の増加によるイーサリアムのガス代の上昇の時期が、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)による50ベーシスポイントの利下げ後にETHがBTCを上回るパフォーマンスを示した時期と一致していると述べている。 オンチェーンの利回りは3カ月物国債利回りを下回ったままだが、一部の投資家は総預かり資産(TVL)の潜在的な回復に備えているとプレストは述べている。しかし、より広範な資本の移動は2025年まで起こらない可能性がある。 サム・アルトマン(Sam Altman)氏が支援するワールドコイン(WorldCoin)のWLDは、過去24時間で14%上昇し、広範な暗号資産(仮想通貨)市場で利益を上げた数少ない銘柄となった。同社は9月25日、ポーランド、マレーシア、グアテマラで先週から検証サービスを開始したと発表した。これにより、より多くのユーザーが参加し、プロジェクトの基盤が強化されるだろう。 1 week, 3 World ID verification launches 🇬🇹🇲🇾🇵🇱 pic.twitter.com/CwwNPNUPzh — Worldcoin (@worldcoin) September 25, 2024 この上昇は、アルトマン氏のもう一つの会社であるOpenAIの経営陣の入れ替えと、同社の非営利法人から営利法人へのステータスの変更が行われた中で起こった。WLDトークンは、暗号資産トレーダーがこの2つを密接に関連していると考えるため、OpenAIの動向に連動する傾向が歴史的に見られる。 |翻訳:CoinDesk JAPAN|編集:井上俊彦|画像:Shutterstock|原文:Bitcoin ETF Demand Grows Among U.S. Investors as China Considers Massive $142B Capital Injection
CoinDesk Japan 編集部