ハマス幹部「長期消耗戦」を表明、4万2千人死亡もイスラエル奇襲に「後悔はない」 ガザ戦闘1年、譲歩拒否で停戦の実現見通せず
「アメリカを筆頭とする国際社会は、占領するイスラエル軍の犯罪を全く阻止せず、占領軍がいたるところで子どもや女性を殺害しているにもかかわらず、沈黙を守り、支援さえしている。ガザやレバノンで起きていることはアメリカの政権と西側諸国の責任でもある」 「(中東情勢の緊迫化は)それら全ての根源であるパレスチナ問題に関心をもたらした。緊張緩和の鍵はパレスチナ問題にある。まずはガザでの戦争を止めること。そして、完全な主権を持つ独立国家を樹立するという当然の権利をパレスチナ人に与えることだ」 ▽占領軍のガザ完全撤退は譲らない ―ガザの停戦交渉は停滞している。 「停戦交渉の障害は、ガザ・エジプト境界への軍駐留などを要求する(イスラエル首相の)ネタニヤフだ。われわれは占領軍のガザ完全撤退を求める点で譲らない。イスラエルで拘束されているパレスチナ人の囚人との身柄交換を実現するのに十分な人数のイスラエル人の人質がガザでまだ生きている」 ―「パレスチナの大義」に注目を戻すという戦闘の目標は達成したと思うか。
「もちろんだ。われわれの戦いは成功している」 取材に応じたもう一人の幹部バセム・ナイム氏はレバノンやイエメンでの戦いは、パレスチナの問題と直結していると主張。ガザの戦闘が解決しない限り、他の戦闘も解決しないとの見通しを語った。(取材は9月30日に実施) ―イスラエルのネタニヤフ首相は「ハマス壊滅」を掲げ、ガザへの攻撃をこの1年間続けた。 「ネタニヤフはいかなる目標も達成できていない。打撃を受けたのは事実だが、ネタニヤフが主張するほど深刻ではない。戦いは長期消耗戦に入った。ハマスは長期間の準備を経てこの戦いに臨んでいる。ガザに張り巡らせた全長500~600キロのトンネル網はインターネット接続が可能で会議室もあり、深さ50メートルの場所に空調やテレビもある。戦闘員の訓練も積んできた。4千~5千人の戦闘員が最近新たに加わった。準備は万全だ」 「重要なのは、これはハマス対イスラエルではなくパレスチナ対イスラエルの戦いだということだ。パレスチナは独立国家、故郷への帰還権、そして尊厳と自由を求めている。たとえハマスをこの戦いで破壊したとしても、15年後には新たな抵抗組織が生まれるだろう」