甲子園に清原和博さんの姿 息子の三振に「ナイススイング」センバツ
第95回記念選抜高校野球大会は21日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で2回戦があり、慶応(神奈川)が昨夏の甲子園で東北勢初優勝を果たした仙台育英(宮城)と対戦した。甲子園で春夏通算最多13本塁打を放った清原和博さんが観戦に訪れ、慶応の「5番・三塁」で先発出場した次男の勝児選手(2年)を応援した。勝児選手が二回の第1打席で左前打を放つと、和博さんも立ち上がって笑顔で右拳を突き上げた。和博さんの一問一答は次の通り。【森野俊】 【写真で比較】清原和博さん(1985年)と勝児さん(2022年) ――甲子園に到着して思うことは。 ◆人生でこれほど、ドキドキというか胸が苦しいと思うことはなかったというか……、そんな気持ちになっています。 ――自身が選手として(甲子園に)立った時とは違うか。 ◆全く違いますね。もう、比較にならないですね。 ――どんな違いが。 ◆もう……、比較にならないですね。 ――緊張している? ◆そうですね。 ――自身が活躍した甲子園に息子の勝児選手が立つ。 ◆いや本当にね。息子にとっても夢の甲子園の舞台でプレーすること、そしてそれを僕が……。本当に、そういうことを思うとね、感極まってきますよね。自分がプレーした甲子園で息子がプレーするというのは。 ――試合で勝児選手に期待したいことは。 ◆とにかく悔いのないプレーをしてもらって。自分自身も甲子園でホームランを打った記憶もありますし、逆に悔しい経験もしましたから。とにかくこの素晴らしい甲子園で、これからの人生で、今日という日は忘れられない日になると思う。伸び伸びとプレーしてほしいなと思いますね。緊張するのは僕だけでいい。 ――開会式は見たか。 ◆見ました。大阪で、テレビで。 ――勝児選手の行進を見て、どう感じたか。 ◆ここまで開会式をね、真剣に見たのって初めてだったので、感動しましたね。今年はコロナが明けて声援もありますしね。自分は夏の(選手権で)100回大会の記念大会に来させてもらったんですけど、今回は95回センバツの記念大会ということでね、また思いも強いですね。 ――勝児選手のプレースタイルで、自身と重なるところと異なるところは。 ◆うーん、どうでしょうか。 ――似ているのは? やはりボールに向かっていく姿勢。僕にないところは、慶応高校のチームカラーであるエンジョイベースボール。そういうところはやっぱり、自分たちの時代とはかなり違うかなと思います。 ――昨秋の関東大会も応援に来ていた。 ◆勝てばセンバツのチャンスがあるという時は、本当にドキドキしましたよね。自分たちPL(学園)は甲子園に出て勝つことが使命づけられていましたので。慶応高校は神奈川県の強豪がひしめく中でそういうチャンスがなかなかなかったと思うので、それで息子の代が甲子園に出られるチャンスがあると思うと緊張しましたけど、やっぱり今日の方が緊張感がありますよね。 ――長らく選手として注目される立場だったが、今は父親として子どもの野球を見る立場。 ◆正直、心配ですよね。父親として、伸び伸びとプレーしてもらいたいなという一心ですよね。 ――息子2人はどんな存在か。 ◆やっぱり宝。宝というか、僕は2人の息子がいてくれたおかげで今、生きていられると思うし、息子の存在が今、勇気と希望を与えてくれていると思います。 ◇試合後 ――試合を終えて。 ◆感動しかない。両チームの戦いに感動しました。 ――スタンドから勝児選手にものすごい声援が送られていた。 ◆すごい、ファンのみなさんの声援は息子に届いたと思います。ありがたかったです。 ――勝児選手が第1打席に安打を放った。 ◆もう一生の宝になりますね。本人にもそうだと思うんですけど、甲子園でああやってヒットを打ったことは、いい思い出になったと思います。 ――タイブレークではチャンスで三振に倒れた。 ◆やっぱり、ああやって最後振りましたからね。ナイススイングですよ。