ミュージカル『この世界の片隅に』原作者が稽古場を初訪問 主人公すずの名前の由来明かす
■オリジナル作品、ミュージカルだからこその魅力
こうのさんから稽古中の苦労を聞かれると、アンジェラさんはオリジナル作品だからこそ最終形が見えないことだと伝えました。 その一方で、「だからこそ、キャストの皆さんと一緒に作れている感覚があって楽しいです。特にすずの二人は、“すずはこういう言い方はしないと思う”といったフィードバックをくれる頼もしい存在で、それを受けて歌詞を変えたりもしているんです。私はこの作品が長く続いていくことを願っているのですが、最初のすずがこの二人で本当に良かったです」と主役を務める2人の存在を語りました。 またアンジェラさんは、「ミュージカルは、総合芸術なんですよね。私も自分のアルバムを作る時は基本的にひとりですが、今回はみんなとキャッチボールをしながら作っているから、大変ではあっても決して孤独ではない。それがミュージカルの醍醐味なのかもしれません」とチームで作品を作り上げる喜びを話しました。
■ミュージカル『この世界の片隅に』 作品の見どころ、聴きどころ
最後に、こうのさんに対して3人がミュージカルの見どころや聴きどころを紹介することに。大原さんが見どころとして挙げたのは、すずと周作のデートのシーンでした。その理由を「特に『醒めない夢』という楽曲が、二人の可愛らしさがギュっと詰まっていてすごく素敵なんです」と話しました。 昆さんが聴きどころとして挙げたのは劇中で2回歌う楽曲、『この世界のあちこちに』です。「これからどんな物語が広がっていくのか、お客様がまだ知らない状態で一度歌われた曲が、すずさんが自分の在り方を見つけた時に再び歌われる、という構成が大好きなんです。二度目に歌う時には、涙をこらえるのに必死になってしまう楽曲です」と話しました。 対してアンジェラさんが挙げたのは機銃掃射のシーン。「二人の演技がとにかく素晴らしいんですよ。このシーンあたりから、すずの感情がクレッシェンドしていき、最後には優しくデクレッシェンドしていくのですが、そのすべてが見どころですね。すずの熱量を表現するのは本当に大変だと思うのですが、二人とももう、“圧倒的”“ヤバい”といった言葉しか出ないくらいすごいパワーなんです(笑)」と見どころを熱く語りました。