チリーズ(CHZ)、サッカー欧州選手権を前に上昇──FIFAワールドカップ前の急騰の再来か
ブロックチェーンとスポーツの融合を象徴する暗号資産(仮想通貨)が、主要な暗号資産の取引の動きが少ない中、市場を盛り上げる存在として浮上している。 最大のスポーツファントークンクリエイタープラットフォームであるSocios.comを支えるチリーズ(Chiliz)ブロックチェーンのネイティブ・トークンであるCHZは、7日間で25%上昇し、15セントを超えて2カ月ぶりの高値をつけた。 この価格高騰は、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)を含む時価総額上位100の暗号資産の中で3番目に大きいものだ。ノットコイン(NOT)とドッグウィフハット(WIF)だけがこれを上回った。 6月14日から7月14日まで24カ国が参加して開催される欧州サッカー連盟(UEFA)主催のサッカー欧州選手権(ユーロ2024)への期待が、CHZの評価を高めているようだ。ほとんどのファントークンは、CHZを利用してSocios.comで調達されている。したがって、この暗号資産はファンとお気に入りのスポーツチームとの交流の度合いを表している。 2022年のFIFAワールドカップでは大きなラリーが展開された。このトークンは2022年の夏にかけて約2倍の30セント近くまで値上がりし、この世界的なスポーツイベントの開幕(2022年11月20日)の前日に頂点に達した。しかし、同年12月には価格が暴落した。 10X Researchは、FIFAワールドカップと同様のシナリオが繰り返され、6月中旬までにCHZがさらに上昇し、その後売却される可能性があると予想している。 「CHZは2022年夏からFIFAワールドカップ開幕(2022年11月20日)の前日までで100%以上上昇した。そしてその後、60%下落した」と10x Researchの創設者であるマーカス・ティーレン(Markus Thielen)氏は、顧客へのメモの中で述べている。 「このシナリオは繰り返されるかもしれない。ワールドカップより少しだけ小さいイベントとして、24カ国が出場するUEFA欧州サッカー選手権(ユーロ2024)が2024年6月14日から7月14日まで開催される」とティーレン氏は指摘し、同社は通常、こうしたイベントに合わせてトークンを宣伝していると付け加えた。 一般的に、スポーツトークンは「噂で買い、ニュースで売る」傾向が強く、イベント前の楽観的な期間に価格が上昇して、その後に下落していることが、Research in International Business and Finance誌に掲載された研究論文「Anticipatory Gains and Event-Driven Losses in Blockchain-Based Fan Tokens:Evidence from the FIFA World Cup(ブロックチェーンベースのファントークンにおける予想利益とイベント駆動損失:FIFAワールドカップによる証拠)」で明らかになった。 サッカーのイベントはヨーロッパでは消費と経済活動を後押しすることで知られている。2019年のある論文では、ヨーロッパの地域サッカークラブの市場価値と各地域の経済パフォーマンスの間に、関連する直接的な統計的関連があることが判明した。 |翻訳:CoinDesk JAPAN|編集:井上俊彦|画像:CoinDesk|原文:Chiliz's CHZ Token Pre-UEFA Euro Price Surge Revives FIFA Memories
CoinDesk Japan 編集部