ハモネプ芸人【9番街レトロ・京極風斗】「謙遜が卑屈にならないように。」
神保町よしもと漫才劇場を拠点に活動している芸人「9番街レトロ」の京極風斗(きょうごく・かざと)さんは、極端なほどに“0か100か”で生きている。自分が大好きで、誰かにこうべを垂れるなんてしてこなかった京極さんも、もうオトナ。謙遜なんかもできるようにならねば……ということで、今回は自己評価を下げることなく、ちゃんと謙遜できる大人になるためのマインドのお話です。一緒にさじ加減を考えてみませんか? 【9番街レトロ・京極風斗】「せっかく頑張ったんなら、頑張った分だけは調子に乗りましょうよ。」
9番街レトロ・京極風斗
連載【0か100かで生きてゆく #69】 ー 謙遜が卑屈にならないように。 ー
Illustration: Kazato Kyogoku
正しい自己評価
僕の普段の活動を追いかけてくださっている皆様はご存じの通り、僕は自分が大好きです。 謙遜の「け」の字どころか、子音の「K」の字も持ち合わせておりませんが、もういい大人ですので、そろそろこうべを垂れることも覚えないといけないなと思う今日この頃でございますが。 「謙遜」とは、時に「卑屈」になるという話をしたいと思います。 成功者がよく言う「運が良かっただけです」という言葉。 確かに運も良かったのでしょうが、努力なしでの成功なんてのは基本的にありえませんので、これは明らかに謙遜ですよね。 素晴らしいと思います。 驕らず、謙虚に、誠実に。 成功を長続きさせるために最も必要な要素かもしれません。 『とはいえ、実力があったから成功したんでしょう!』 「周りのサポートのおかげです。僕はただやれることをやっただけなので」 謙遜です。 『サポートがあったとしても、才能がなければ何にもなりませんよ!』 「才能なんてないですよ。僕はただの凡人です」 まだ謙遜です。 『凡人なわけないじゃないですか!天才ですよ!』 「とんでもない。僕は凡人以下のクズです」 ここから卑屈です。 この場合持ち上げる側もしつこいですが、謙遜も適当に切り上げてあげないと、自己評価がどんどん下に潜っていっちゃうんですね。 謙遜っていうのは、実績以上の評価を実績通りに戻すために行うことであり、下に見せてまでやることではないと僕は思います。 実績以下に見せようとする発言はもう「卑屈」です。 しかし、それをやっちゃう人が多いなと感じるわけです。 天狗よりはマシですが、自分の頑張りを自分で否定しすぎるのは、逆に嫌味ったらしかったりしますよ。 せっかく頑張ったんなら、頑張った分だけは調子に乗りましょうよ。 頑張ってる以上に鼻を伸ばすような人間にさえならなければいいんですから。 僕は実績の見積もりが甘いので、そこを間違えるんですけどね。 今のところ、たまに誰かが鼻をへし折ってくれるんでそれでいいんです。 しかしそろそろ、正しく謙遜できるようになりたいね。 連載『9番街レトロ・京極風斗の0か100かで生きてゆく』は第2・4水曜日に更新! ●PROFILE 京極風斗(きょうごく・かざと) 1995年8月9日生まれ。大阪府出身。吉本興業所属のお笑いコンビ。2019年4月1日に9番街レトロを結成。神保町よしもと漫才劇場を拠点に活動中。 個人チャンネル「京極風斗の道楽ちゃんねる。」ではアートとインテリアを軸に、好きなことを配信。 コンビのYouTubeチャンネルでは日々の出来事やネタの動画を配信。 そのほか、絵が得意で自らデザインしたオリジナルグッズをSUZURIで販売している。 Instagram @kazato.kyogoku -------------- Text & Illustration: Kazato Kyogoku
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