韓国与党、半導体メーカーに補助金支給の法案提出 トランプ米次期大統領の輸入関税引き上げ方針で
Hyunjoo Jin [ソウル 11日 ロイター] - トランプ次期米大統領が輸入関税を引き上げる方針なのに伴うリスクに対処するため韓国の与党「国民の力」は11日、半導体メーカーに補助金を支給し、国が定めている労働時間上限の適用除外とする法案を議会に提出した。 アジアで4番目の経済大国となっている韓国は貿易依存型の経済構造となっており、中でも半導体産業は極めて重要な役割を果たしている。昨年の輸出総額のうち半導体が16%を占めた。 尹錫悦大統領は先週、トランプ氏が中国からの輸入品に高関税を課すと脅しているのを受けた措置として中国の半導体メーカーが輸出価格を引き下げ、外国での韓国半導体メーカーのシェアを奪う恐れがあると警告していた。サムスン電子など半導体を手がける韓国メーカーは既に、台湾や中国の競合他社との競争激化に直面している。 法案では、半導体の研究開発に携わる一部従業員は、1週間の労働時間を最大52時間に制限する労働法の適用が除外され、長時間労働が認められる。 サムスンの労働組合は今月、同社が「経営の失敗」をこの労働法のせいにしようとしているとして与党の動きに反対する姿勢を示した。 法案を提出した議員の1人は、米中の半導体貿易戦争の中で中国や日本、台湾、米国が半導体メーカーに補助金を与えていることによる逆風を韓国メーカーがかわすのに役立つとする声明を出した。 ただ、現代自動車証券のアナリストは、革新系の最大野党「共に民主党」が議席の過半数を握る議会で承認を得るには厳しい戦いを強いられる可能性が高いとの見方を示した。