2024年5月の「負債1,000万円未満」倒産 54件 2カ月連続で前年同月を上回る、1-5月累計は2年連続200件台
【形態別】消滅型の破産が9割超
形態別は、破産が52件(前年同月比1.8%減)で、全体の96.2%を占めたが、4年ぶりに前年同月を下回った。 負債1,000万円未満は大半が小・零細企業で、生産性向上など将来への投資は後手に回りやすい。また、対応力の面で新たな取引先の開拓もできず、経営再建や事業再生は難しい。こうしたことから、再建型より消滅型の破産で債務整理を進めるケースが多い。
【原因別】販売不振が5割
原因別は、最多が「販売不振」の27件(前年同月比35.7%減、構成比50.0%)で、4年ぶりに前年同月を下回った。「既往のシワ寄せ(赤字累積)」は、前年同月と同件数の2件だった。 「不況型倒産」(既往のシワ寄せ+販売不振+売掛金等回収難)は29件(前年同月比34.0%減)で、4年ぶりに前年同月を下回った。構成比は53.7%(前年同月83.0%)で、5月では2010年以降の15年間で2018年(65.7%)を下回り最低となった。 このほか、「他社倒産の余波」が14件(前年同月比250.0%増)で2年連続、代表者の病気や死亡を含む「その他」が5件(同400.0%増)で3年ぶり、「事業上の失敗」が3件(同200.0%増)で2年ぶりに、それぞれ前年同月を上回った。 小・零細企業は、資金的な制約から経営再建や事業転換への取り組みが難しい。業績不振から抜け出すことができず倒産に至るケースも多い。
【資本金別】1千万円未満が9割超
資本金別は、1千万円未満が51件(前年同月比4.0%増)で、4年連続で前年同月を上回った。構成比は94.4%(前年同月92.4%)で、2.0ポイント上昇した。 内訳は、「1百万円以上5百万円未満」が22件(前年同月比46.6%増)、「個人企業他」が12件(同33.3%減)、「1百万円未満」が10件(同±0.0%)、「5百万円以上1千万円未満」が7件(同16.6%増)だった。 このほか、「1千万円以上5千万円未満」が2件(同50.0%減)で、4年ぶりに前年同月を下回った。一方、「5千万円以上1億円未満」は1件で、6年ぶりに発生。「1億円以上」は2010年以降、5月では発生がない。