『しょうぎ女子』を増やしたい 島井咲緒里さん、“女流の絆”で親友や先輩と歩み続ける将棋人生
将棋を通じてジェンダー問題に一石
当時20代だった島井さんの背中を押したのが、女流棋士の先輩で現LPSA代表理事の中倉宏美女流二段(45)だ。「(独立派が)少人数になったので(島井さんが)心配になっている時があって、電話で『大丈夫だよ、一緒にLPSAを立ち上げようよ』みたいな話をして」と思い出す。 LPSA設立の背景には「(将棋界での)居心地の悪さを変えていきたい気持ちも強かった」が、17年たった今は将棋ブームも追い風に「女性人口も増え、まいた種が実になってきている」と手応えを感じている。 中倉宏美さん: 将棋は男の人がやるものというのが根深く歴史的にもあって。女性が将棋をやるだけでちょっと奇異の目で見られていたところからスタートして、女流棋士の制度が誕生して今年でちょうど50年なんです。将棋界で女性が活躍することは、世の中のジェンダー問題に一石を投じる象徴的なことになると思うし、多様性を認めることにつながる。そういう意味でも頑張っていきたい。
女の子に憧れてもらえるように
そんな中倉さんと一緒に“ナンバー2”として「二人三脚」で組織運営にあたる島井さん。高知で将棋を始めた当時を振り返り、「全然女の子、いなかったですし、寂しいというか、もっと仲間とか一緒にやれる子がいたら違っただろうな」と話す。 島井咲緒里さん: 女の子に「女流棋士、かっこいいな」と憧れてもらえるように私たちがまず頑張って、制度とか環境を整えていく。プロを目指す子もいたり、趣味としてずっと将棋を楽しんでくれる女の子が増えて、人生が豊かになってくれればいいなと。プレイヤーとしても精一杯やりつつ、普及にも力を入れていきたいと思います。 2人の人間が向かい合って盤上で繰り広げる勝負。その魅力は時代が変わっても不変のものだろう。ただ、島井さんや中倉さんたちの思いと取り組みは、社会の変化の中で将棋という伝統文化に新たな可能性を付け加えている。 (高知さんさんテレビ)
高知さんさんテレビ