「今だ!と思った」クロース氏が告白…アンチェロッティや同僚らに現役引退を報告したタイミングと方法は?
元ドイツ代表MFトニ・クロース氏が、現役引退を報告したときのことを振り返った。スペイン『マルカ』が伝えている。 バイエルンやレアル・マドリーで活躍し、世界屈指のゲームメイカーとして君臨し続けたクロース。特にマドリーでは公式戦465試合28ゴール99アシストを記録し、2015-16からは前人未踏のチャンピオンズリーグ(CL)3連覇を達成し、黄金期を形成した1人に。34歳で迎えた昨季も公式戦48試合1ゴール10アシスト。未だ衰えを見せない中、自身4度目のラ・リーガ制覇を達成した後に、シーズン終了後の現役引退を突如発表した。 その後、クロースはマドリーでの自身5度目のCL制覇を成し遂げ、準々決勝敗退に終わったEURO2024を最後に現役生活を終えた。そこから約3カ月半。スペイン『マルカ』でのインタビューで引退を決断した時期、チームメイトや監督への報告したタイミングや状況について語った。 インタビュアーから「引退の決断を家族に伝えるのと、アンチェロッティらに伝えるのはどちらが難しかったか?」という質問を投げかけられると、引退は妻と一緒に決断したことを告白。そのため、息子や指揮官のカルロ・アンチェロッティ監督に伝える方が困難だったという。 「実は妻と一緒に決めたことだから、妻には難しいことはなかったよ。家では何カ月もこのことについて話し合っていたんだ。妻はこれまでよりも私が家にいることになることを喜んでいたよ」 「長男に伝えるのは難しかったね。なぜなら、彼がテレビやスタジアムで私を見て、どれだけ楽しんでいたかを知っていたからだ。多くの経験を目にし、チャンピオンズリーグ決勝にも4度訪れたんだ。子供の頃のことは決して忘れないだろう。息子にとっては辛かっただろうね」 「そして、カルロ(・アンチェロッティ)にそれを伝えるのはとても困難だった。彼は私が続けることを期待しており、我々はとても良好な関係を築いていた。彼はこのクラブでの私の最初の監督でだった。それを伝えるのは簡単ではなかったが、人生のすべてには終わりがある」 そのアンチェロッティやチームメイトに伝えた自身の決断を伝えたタイミングは、ラ・リーガを制した後だった模様。また、その報告も1人1人に伝えたことを明かしている。 「彼は怒らないだろうけど、少し悲しむことはわかっていた。特別なことが終わろうとしていたのだから、簡単な瞬間ではなかったよ。良い瞬間を選ぼうとした。そして幸運なことに、ラ・リーガで優勝できたので、『今だ!』と思ったんだ。ラ・リーガとチャンピオンズリーグ決勝に完璧な時間があった。もし、ラ・リーガを戦っている最中であれば、もっと難しかっただろうね。この問題を最優先にしたくなかったから」 「1人ずつ伝えたよ。私と短期間しか共にしなかった人もいれば、長く一緒にいた人や親密な関係にあった人もいたからね。同時に全員に知らせることはしなかった。ニュースが事前にウェブサイトや新聞に載るのは避けたかったから、1日、2日かけて個人的に全員に知らせたよ」 「幸いだったのは、この10年間でみんなが私のことをよく知っていてくれたということだ。そして、彼らは私がよく考えて決断した場合、覆すことはできないということを知っている。監督も『君はドイツ人だから、できることは何もないだろう?』とね。彼らは説得しようとしていたけど、それが実現しないこともわかっていたんだ。僕も数か月前からこの決断を下していて、考えを変えるつもりはないことを説明していたんだ。とても良い話だけど、簡単なものではなかったね」 そして、今夏ではかねてより伝えられていたフランス代表FWキリアン・エンバペがついにマドリーに加入。「同選手の加入を知った時、もう1年続けたいという気持ちにならなかったか?」と問われると、自身の決断には影響しなかったと否定している。 「いや、この決断には選手の入れ替わりは影響しないよ。これは私の決定だった。エンバペが来ることは知っていたけど、来てくれて本当に嬉しいよ。彼はチームを助けるつもりで来てくれているからね。2年前でもよかったけど、ついに来たね。ただ、エンバペが私の決断に影響を与えたことはないよ」