森保ジャパン、右DFが大混戦 インドネシア戦で初ゴールのDF菅原由勢「これまで悔しい思いをしてきた」
【ジャカルタ16日=山下幸志朗】日本代表は、4-0で勝利した2026年W杯アジア最終予選C組第5戦・インドネシア戦から一夜明け、チャーター機で当地を出発。19日に中国と対戦する福建省アモイに到着した。インドネシア戦で途中出場したDF菅原由勢(24)=サウサンプトン=が最終予選初出場でゴール。MF堂安律(26)=フライブルク=やMF伊東純也(31)=スタッド・ランス=らライバルがひしめく右サイドで存在感を示し、新たなサバイバルが勃発した。 敵地でのインドネシア戦で大勝し、最終予選C組で独走状態の日本代表が、スカルノ・ハッタ国際空港からチャーター機で中国へ。森保一監督は疲れも見せず、報道陣に「お疲れさまでした」と声をかけると、日本のユニホームを着たサポーターらに見送られて笑顔で飛び立った。 4勝1分けで勝ち点を13に伸ばし、C組首位で最終予選を折り返し。そんな森保ジャパンに新たな〝サバイバル〟が勃発している。 前日のインドネシア戦。3-0の後半17分にDF菅原が投入されると、その7分後だった。右サイドでMF伊東とパス交換をし、ドリブルで一気にゴール前へ。ニアサイドから豪快にシュートを打ち抜いた。2022年カタールW杯のドイツ戦でFW浅野拓磨が見せた伝説のゴールを彷彿させる一発だった。 最終予選初出場でいきなり結果を残し、試合のMVPにも選ばれた菅原は「これまで悔しい思いをしてきたし、今日だって自分がスタメンに名前がなかった。そういう気持ちは僕の原動力になっている」と胸を張った。 森保監督は交代前、菅原に「相手の裏のスペースを突いてほしい」と指示。その期待に一発回答した。現在の森保ジャパンは攻撃的な3バックが基本布陣。サイドバックの菅原は戦術変更によってポジションを失っていたが、この試合で存在感を示したことで、右サイドの定位置争いがさらに混戦状態となりそうだ。 右ウイングバックは実績のあるMF堂安、MF伊東の起用が多かったが、菅原もイングランド・プレミアリーグでレギュラーを張る実力者。不遇の若武者が定位置争いに名乗りを上げた形だ。 8大会連続の本大会出場、そしてW杯でのさらなる躍進を狙う森保監督にとってはうれしい悲鳴とも言える。果たして中国戦で先発を任されるのは誰なのか。「勝ち点3、それだけが必要になる」と意気込む菅原にも、チャンスは十分ありそうだ。