警視庁＝米田堅持撮影

　違法薬物を譲り受けたとして、警視庁薬物銃器対策課は12日、オリンパスのシュテファン・カウフマン前社長兼最高経営責任者（CEO、56歳）を麻薬特例法違反（譲り受け）の疑いで書類送検した。捜査関係者への取材で判明した。容疑を認めているという。 　書類送検容疑は2022年9月～24年2月、東京都内で、自称カメラマンの金子高明容疑者（44）から、コカインや合成麻薬MDMAを繰り返し譲り受けたとしている。 　カウフマン前社長は1回あたりコカイン0・1～0・2グラム、MDMA1錠を金子容疑者から購入していたとみられる。 　カウフマン前社長については、24年4月に薬物使用に関する匿名の通報があり、警視庁が関係先として浮上した金子容疑者を覚醒剤取締法違反（所持）の疑いで現行犯逮捕していた。一方、6月にカウフマン前社長の自宅を家宅捜索したが、違法薬物は見つからなかったという。 　金子容疑者は東京地裁で執行猶予付きの有罪判決を受ける直前の9月、オリンパスに薬物取引に関する手紙を送った。オリンパスから相談を受けた警視庁はカウフマン前社長らへの捜査を再開。11月7日、カウフマン前社長に違法薬物を譲り渡したとして、金子容疑者を麻薬特例法違反（譲り渡し）の疑いで逮捕した。 　カウフマン前社長は10月28日付で社長兼CEOを辞任している。【遠藤龍】