【ドキュメント】青葉真司被告に死刑判決 「妄想の影響ほとんど見られない」責任能力を認定 京都アニメーション放火殺人事件
●精神鑑定の結果について
(A鑑定) A鑑定では性格傾向が動機形成の主で、妄想の行動への大きな影響はなかった、妄想の犯行への影響は限定的だった、としている (B鑑定) B鑑定では、被告の性格傾向は独善性・猜疑心が強い、妄想性障害が動機を形成していて、生活傾向が本件犯行の背景要因としている。妄想は影響しているが、妄想と妄想以外は相互に影響。
●精神障害について
①妄想が相互に関連しているか ②妄想が現実に影響しているか 以上の2点を検討
●①について
A鑑定は重要な前提条件が欠けており、問題がある。B鑑定は長期にわたり十分に検討されており、問題ない。
●②について
A鑑定は闇の組織に関する前提が不十分で、闇の組織の犯行への影響を評価しておらず、検討が不十分。B鑑定は事実関係に問題がない。 検察は妄想は兄に前科をバラされたのみで、本件犯行には影響していないと主張しているが、妄想が行動に影響を与えたと考えるのは不合理ではない。妄想的確信の結果、仕事に影響が出たのは事実と認められるなど、検察の主張は認められない 以上の結果、妄想性パーソナリティー障害としたA鑑定は前提事実や判断に問題があるが、妄想性障害としたB鑑定は前提事実に問題はない
●精神障害が犯行に与えた影響について
妄想は京アニ等への恨みを抱き、攻撃しなければならないという動機形成に影響したと考えられる。
●放火殺人選択への妄想の影響について
被告はやられたらやり返すという考えをし、京アニへの報復を決意した。被告の攻撃的な性格傾向とも一致し、妄想の影響はほとんどみられない。被告は大量殺人をしないと盗用が終わらないと考えた。こうした被告の考えは性格傾向から理解でき、妄想の影響は考えられない。攻撃手段は被告の自身の考えから選択されており、妄想の影響はほとんどみられない