航空教室の鉄板ネタ「BERTH・KAKEF・OKADA」お別れ 関空・神戸新ルートでWaypoint見直し
関西・神戸両空港の飛行ルート見直しや、福岡空港の第2滑走路供用開始が、3月20日に実施される。国土交通省航空局(JCAB)は、この日から有効となる航空路誌(AIP)で「Waypoint(ウェイポイント)」と呼ばれる飛行ルート上の地点情報などを見直し、45カ所のWaypointを廃止する。中には阪神タイガースに由来し、関西地方で開かれる遊覧フライトや航空教室などで親しまれてきたWaypoint「BERTH・KAKEF・OKADA」も含まれている。 【画像】関西空域の新飛行ルート 大阪・関西万博(2025年日本国際博覧会)が4月に開幕することもあり、関西・伊丹・神戸の関西3空港が使用する関西空域では、関西・神戸両空港の発着回数増加などで飛行ルートを3月20日から変更する。3月最終日曜の30日が夏ダイヤの初日であることから、10日ほど余裕を持たせて移行する。 関空は万博に向けて1時間あたり60回の発着回数を確保。神戸は国内線を1日最大120回まで発着回数を広げ、需要動向や関空への影響を考慮する条件付きで国際線も1日最大40回発着できるようにする。これらを実現するため、国交省は2023年6月13日に、両空港の新たな飛行ルート案を公表し、3月20日からはこのルートが有効になる(ルートの詳細はこちら)。 Waypointは、予め緯度と経度が航空当局などにより設定され、英数5文字を組み合わてご当地の名所や著名人などから名づけられた地点情報。廃止となるものの中には、ISPUM(342548.31N / 1351506.42E)のように関空内に設定されたものや、徳島県阿波市のBERTH(340911.44N / 1341900.01E)や徳島県鳴門市のKAKEF(341345.91N / 1343426.43E)のように陸地のもの、兵庫県姫路市のOKADA(343703.07N / 1343923.84E)のように海上と、さまざまだ。 BERTH・KAKEF・OKADAは、タイガースが球団初の日本一を達成した1985年に活躍したランディ・バース選手、掛布雅之選手、岡田彰布選手にちなんだもの。関西地方で開かれる航空教室では、パイロットが飛行ルートを決める手順や例を挙げる際の「鉄板ネタ」のひとつで、神戸を第2拠点とするスカイマーク(SKY/BC)が2016年に特別塗装機「タイガースジェット」で運航した特別フライトでも、3地点を経由するルートが選ばれた。 タイガース由来の3地点とともに姿を消すWaypointの中には、兵庫県明石市にちなんだAKASI(343522.66N / 1344518.06E)や、兵庫県姫路市出身の歌手、松浦亜弥さんにちなんだAYAYA(344519.07N / 1343217.68E)、高知県のよさこい祭りにちなんだYOSAK(334704.71N / 1340638.39E)などがみられた。 航空教室の鉄板ネタがいくつか消滅してしまうが、関西のパイロットたちはどのようなネタを仕込むのだろうか。
Tadayuki YOSHIKAWA