由紀さおりの別れ歌は「メロディー、歌詞、歌、完璧です」 クレイジーケンバンド横山剣の「いまだに泣ける名曲」5選
香港に行きたいと思ったきっかけ
3:映画「慕情」のテーマ 1955年に公開された、ヘンリー・キング監督のアメリカ映画「慕情」のテーマ曲。映画と曲の原題は「Love is a Many-Splendored Thing」。オリジナルはフォー・エイセスが歌っているが、名曲ゆえ、コニー・フランシス、アンディー・ウィリアムス、フランク・シナトラ、マット・モンロー、ナット・キング・コールなど世界的なシンガーたちがカバーしている。 「僕はマット・モンローが歌うバージョンが好き。このメロディーが鳴ると、もうそれだけでこみ上げてきちゃいます。ウィリアム・ホールデン演じる記者が死んで、ジェニファー・ジョーンズ演じる女性ドクターが、香港の2人の思い出の丘を訪れる。風が緑の草を揺らしているあのシーンが浮かんでくる。今も観返して、その度に胸をぎゅっと締め付けられます。毎回涙があふれます。香港に行きたいと思ったのも、この映画を観たことがきっかけでした」 大人になった横山は香港に通うようになった。「香港グランプリ」「香港的士」など、CKBには香港を舞台にした曲が多い。
いい音楽は風景を見せてくれる
4:映画「スージー・ウォンの世界」のテーマ 香港を舞台にした英米合作の恋愛映画「スージー・ウォンの世界」のテーマ曲(1960年公開)。監督は、リチャード・クワイン。テーマ曲のクレジットは同作の音楽を担当したジョージ・ダニングだが、テーマ曲を含む一部の曲にサミー・カーンとジミー・ヴァン・ヒューゼンが作曲した「Suzie Wong (The Cloud Song)」の旋律が使用されている。 「『慕情』とは香港つながりで、ウィリアム・ホールデンつながりです。テーマ曲はオリエンタルチックな旋律。なのに、ヨーロピアンな雰囲気も感じる。植民地時代の香港の建築物が浮かんでくる。いい音楽は風景を見せてくれますね」 この映画をモチーフにしてCKBの「スージー・ウォンの世界」が生まれた。この映画はミュージシャンにファンが多く、YMOは「中国女」の、松任谷由実は「Hong Kong Night Sight」のモチーフにしている。