《ブラジル》マスクがアップルのオーナー?=79歳女性がロマンス詐欺被害
ブラジル南部パラナ州内陸部トレド市在住の79歳の高齢女性が、実業家イーロン・マスク氏と真剣交際していると信じて、3千レアル(約7万9千円)以上を詐欺師に騙し取られる事件が発生した。女性は、マスク氏を名乗る詐欺師からの指示を受け、スーパーマーケットでなぜかアップル社のギフトカードを複数枚購入した。24日付UOLなどが報じた。 マスク氏は、テスラやスペースXなどを設立し、株式資産1千億ドル以上の「センチビリオネア」として世界的に知られる実業家であり、iPhoneなどを販売するアップル社とは無関係だ。 この詐欺事件は23日の午後、被害者女性がスーパーマーケットで取った不審な行動により、警察が呼ばれて発覚したという。警察によれば、店のマネージャーは高齢女性が「App Store(アップル社のアプリやゲームをネット購入するためプリペイドカード)」を複数購入していたことに不審感を抱いたという。 店員に尋ねられた女性は、「国際的なビジネスマンと遠距離恋愛している」と答え、その「交際相手」がカードを購入するよう求めていると話したという。彼女はその男の「自分はアップルのオーナーで、後から金を返金する」との説明を信じていた。 女性から説明を受けた店員は、販売を保留にし、警察に通報した。警察の事情聴取に対し女性は、マスク氏と名乗る男から「近日中に大金のドルを持参してブラジルへの訪問予定があるが、その前に自分が所有するアップル社のカードを購入してほしい」との要請を受けたという。 女性は推定3千~4千レアルをカード購入に費やしたと語った。購入後、彼女はカードのラベル部分をこすって現れる16桁の数字コードを撮ってワッツアップで詐欺師に送信していた。当局は詐欺師が使用していた電話番号を確認し、ナイジェリアの国番号を特定した。 事件を担当するロドリゴ・バチスタ警部は、高齢者を持つ家族はSNS使用に注意を払う重要性を強調した。同警部によれば、この層は犯罪者の狙いになりやすいという。