FIA重要人物の退任続きにメルセデス代表が懸念表明「彼らには安定性が必要だ」
FIAは最近、組織の重要な役職を務めていた人物が続けて退任している。メルセデスF1のトト・ウルフ代表はこれを懸念しており、FIAには安定が必要だと語った。 【動画】真っ暗闇の中で2.84秒……!? レッドブルF1が驚異のピットストップパフォーマンス FIAは2023年末にスポーティングディレクターを務めたスティーブ・ニールセンが退任。そしてテクニカルディレクターであるティム・ゴスも、今年1月になり退任が発表された。彼らふたりの前にはモータースポーツコミッション女性部門のトップを務めていたデボラ・マイヤーも離脱しており、FIAからは重要人物が立て続けに去ってしまっている。 ウルフ代表はこうしたFIAの状況について、ニールセンが1年もたたずに去ったことや、重要人物が突然退任したことを懸念していると語った。 「多くの優れた人達が離脱していくのを見なくてはならないのは、懸念すべきことだ」 ウルフ代表はイギリスのデイリー・テレグラフにそう語っている。 「スティーブ・ニールセンを失うのはかなりの痛手だ。あれほど博識で公正なスポーティングディレクターは考えられない」 「リーダーとして大事なのは、人々が成長していくための環境や文化を作っていくことだ。こういった有能な人達が組織を離れていくと、空白が生じてしまう。それは明らかなことだ。なぜ突然、これほど多くの人が急に去っていくのか、自問する必要がある」 「(FIAが)必要としているのは安定性だ。FIAはF1の3つの主要なステークホルダーのひとつ(FOM、チーム、FIA)なんだ」 「そして、こうした組織のリーダーとして、我々は他の人達のために規範を示す必要がある。我々は透明性を持って、倫理的に行動していると口で言うだけでなく、日々をその基準にしたがって生活する事が必要だ」 なおウルフ代表は昨年末、妻でF1アカデミーのマネージングディレクターであるスージー・ウルフと共に、利益相反の疑いがかけられているとして、調査対象となる事件があった。 F1チーム側とFIAの対立を引き起こしたこの件は、最終的にFIAが調査から手を引く形で幕引きとなった。ウルフ代表はさらなる法的措置については口にしなかったが、FIAの調査方法が「非常に有害」なものだったと語っている。 「我々は10億人以上の人達が観戦するスポーツとなっているため、我々はロールモデルとなっている」 「自分たちの言動がもたらす影響について、注意深くなる必要がある。これまでに言われてきたことや、そのやり方は非常に有害なモノだった」
Filip Cleeren