〈ついに不信任案可決〉「部下の顔と名前を覚えない」「説明したことも“聞いてない”とブチギレ」県職員が斎藤知事に辞めてもらいたい本当の理由…公約の着手・達成率「98.8%」も検証不可能な状況に
「斎藤知事はホンマに話が通じない」
それは何か。アンケートで目につくのは、計画中の政策を所管部署が報告したにもかかわらず、斎藤知事が「聞いていない」と言って怒りだした事例だ。 「昨年4月11日の定例会見の項目レク(レクチャー)の際、AIによる出会い支援事業があがっているのを(知事が)見て、『事業の中身を知らないのに判断しろというのか』と叱責を受けた。同事業は、令和5年度予算の記者会見資料やその後の知事講演資料にも記載があった」 「昨年5月11日に福祉部が介護テクノロジー導入・生産性向上支援センターの開設について知事に説明したところ、『こんな話聞いていない』と叱責があった。福祉部が『令和5年度予算の記者発表資料に入っている』と伝えても、『そんなの見ていない、資料に掲載しているからといって知事が知っていると思うな』と言われ、開所式のスケジュールを変えざるをえなくなった」(いずれも県職員アンケート回答) このうち介護テクノロジー問題では、8月30日の百条委で委員から事実かどうか質された斎藤知事は「私も完璧な人間ではない。一回聞いたことをすべて覚えているのか、失念することもある」と言い始め、言い訳にならない言葉をつづけた。 「担当部局としては説明したかもしれないが、いろいろありますけど職員とのコミュニケーションをしっかりしていかなければならない」(斎藤知事) 担当部局が説明をしていれば叱られるいわれはないはずだが、それを「いろいろありますが」の一言で片づけたのだ。 同じ日の百条委では、2021年9月に県の港湾整備計画が新聞で報じられた際、自分は聞いていないと怒り始めた斎藤知事に呼び出された当時の土木部長、杉浦正彦氏も証人として出席し、理不尽な叱責の構図を述べた。 報じられた整備事業は21年7月の知事選で斎藤氏が当選する前から公になっており、ようやく概要が固まり報じられたものだった。それを斎藤知事は「意思決定を県として、していないことを先に(報道で)出すことは許せない」と声を荒らげ、机を叩いて杉浦氏と担当の港湾課長を叱りつけたというのだ。 「港湾課長は(担当してきた事業が)新聞記事に出てうれしかったと思います。それなのに怒鳴られて気の毒でした」(杉浦氏) これらの事件をめぐる知事の言動は、施策実現のために多くの準備を重ね、最後に知事の了承を得て実行に移すことが仕事である県職員の誇りを深く傷つけるものだと、県行政に詳しい関係者は話す。 「斎藤知事はホンマに話が通じない。興味のないことには耳を貸さないから知事との協議に入れない。県幹部から聞こえてくるのはそんな話ばかりです。了承されたと担当者が考えている施策も、最後に『聞いていない』と言い始めキレているわけです」(県関係者)
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