野球カード返還要求で波紋 “盟友”だった大谷翔平への26億円支払い義務も 水原被告の“凋落”に米衝撃「危機に瀕している」
球界を騒然とさせた春先のスキャンダルは、いまも完全解決には至っていない。 現地時間11月27日には、ある動きが世間で明るみになった。『The Athletic』をはじめとする複数の米メディアは、大谷翔平(ドジャース)が、銀行詐欺罪などに問われている元通訳の水原一平被告が無断で購入していた32万5000ドル(約4900万円)相当の野球カードの所有権を巡り、連邦地裁に返還を申し立てたと伝えた。 【実際の写真】NY紙が収めた衝撃現況 水原一平容疑者がラフな格好でウーバーを配達する様子 ショッキングなスキャンダルだった。水原氏は今年4月に大谷の銀行口座から違法賭博で抱えた借金返済のために約1700万ドル(約26億円)を不正に送金していたことが判明。さらに虚偽の納税申告を行っていたことも明るみになり、お茶の間を騒然とさせた。 大谷が「常に一緒。一番お世話になった方」としていた盟友の裏切り。事件発覚当時は水原被告の生々しい手口が波紋を呼んだわけだが、その記憶も史上初の「シーズン54本塁打・59盗塁」をやってのけた大谷のグラウンド上での活躍もあって、薄まりつつあった。 ただ、水面下で罪の整理は続いていた。 今回の報道によれば、大谷側は、銀行口座を不正利用した水原被告が1月から3月の間に、転売目的でオンライン購入した野球カードの返還を要求。カード代が32万5000ドル(約4923万円)相当という仰天価格であることを伝えられている。 水原被告のギャンブル癖を改めて浮き彫りにする一報ではある。ゆえに米メディアでも、大谷の心情を推察する意見が目立った。 スポーツ専門サイト『Sporting News』は二人の関係性を「長年の通訳であり、腹心でもあった」と紹介。その上で「オオタニはミズハラから詐取された直筆サイン入りのカードを取り返すべく動いた。ミズハラは有罪が確定すれば、オオタニへの賠償金として総額約1700万ドル(約26億1800万円)、国税庁への賠償金として100万ドル(約1億5400万円)以上を支払う義務がある」と伝えた。 また、スペイン紙『Marca』の米国版は「ミズハラが抱えている法的トラブルは野球カードの購入だけにとどまらない」と指摘。「ドジャースとの7億ドルの契約という重要な瞬間もオオタニのそばにいた彼は、日本への強制送還の危機に瀕している」と今後を読み解き、こう続けている。 「この法廷闘争は、ここまでのオオタニのキャリアにおいてミズハラが担ってきた役割とは明らかに対照的である」 果たして、水原被告には最終的にいかなる判決が下されるのか。本人の体調不良によって延期が続いている量刑の言い渡しは、来年1月24日に行われる予定となっている。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]