平均密度がわたあめ並の惑星「WASP-193b」を発見
■注釈
※1…スーパーWASPはスペイン領カナリア諸島のロケ・デ・ロス・ムチャーチョス天文台と、南アフリカ共和国の南アフリカ天文台で構成されています。 ※2…現在の惑星形成論においては、巨大ガス惑星の中心部には地球の数倍程度の質量を有する、主に岩石でできた主体の核が存在すると考えられています。 ※3…なお、極端に密度の低いホットジュピターは「パフィー・プラネット(Puffy planets)」と呼ばれることがあります。直訳すれば「フワフワとした惑星」「膨らんでいる惑星」となりますが、どの程度の密度の天体をパフィー・プラネットと呼ぶのかは定義されておらず、学術的な分類名というわけでもありません。このため、パフィー・プラネットという分類は愛称に近いものです。 ※4…本記事の執筆時点で最も密度が低いと推定されている太陽系外惑星は「ケプラー51d」で、平均密度は1立方cmあたり0.046±0.009gです。 ※5…今回の研究では、3つの異なるモデルで直径が推定されました。それぞれ木星の直径の0.9~1.1倍、0.82±0.14倍、1.1±0.1倍という計算結果が出されています。 ※6…他に検討された仮説として「流出する大気の流れを惑星本体の大きさと誤認した」「潮汐力による加熱」「惑星内部でのヘリウムの相分離」「誕生直後の恒星で放射が強かった時期の膨張を観測している」というものがあります。いずれも観測データから得られたWASP-193bのパラメーターとは大きく矛盾します。 ※7…惑星科学における「金属」とは、通常の文脈では水素とヘリウムよりも重い元素すべてを指します。ただしホットジュピターのオーム散逸においては、イオン化しやすいアルカリ金属(ナトリウムやカリウムなど)のことを指すため、日常的な意味での金属と一致します。 Source Khalid Barkaoui, et al. “An extended low-density atmosphere around the Jupiter-sized planet WASP-193 b”. (Nature Astronomy) (arXiv) Khalid Barkaoui, Francisco Pozuelos & Julien de Wit. “WASP-193b, une planète géante de densité similaire à celle de la barbe à papa”. (Université de Liège)
彩恵りり / sorae編集部