パートナー次第で、腟のサイズも変化する! 人には聞けない、腟の悩みを医師がアンサー
人とは比べられないし、基準もわからないからこそ気になるのが腟のサイズ。くしゃみや咳をした瞬間の尿漏れやお風呂から出たときのお湯漏れで、「もしかして私の腟、緩い?」と不安を感じたことはないだろうか。腟のサイズの違いを、産婦人科医の福山先生は次のように説明する。 【写真】デリケートゾーンをお手入れ! iHerbで見つけるフェムケアグッズ 「体型と同じように個人差があることは大前提の上で、大柄の人は腟の深さが長い傾向があります。腟の内腔は人それぞれですが、長年診察している患者さんの場合は、腟の中のサイズでパートナーが変わったことがわかるんです。出産時には赤ちゃんが通るわけですから、それくらい柔軟性がある、ということ。相手に合わせて広がることも縮まることもできるのが腟の素晴らしい機能。ですが、性交渉がなくても、40代後半くらいから腟壁が薄くなるので、空洞は広くなります。そして腟壁が薄くなるだけでなく、萎縮により膣の伸縮性が悪くなったり、加齢により濡れにくくなると、セックスのときに痛みを伴うように。これには、炭酸ガスレーザーを腟内に照射するモナリザタッチという治療が効果的。薄くなった腟壁に厚みと弾力が回復し、乾燥感も改善します」
そして、腟サイズの大小よりも問題なのは、筋力低下による腟の緩み。 「産後や加齢だけでなく、現代人は生活の中で骨盤底筋を使うことが減っています。和服を着て、両膝を閉じて床に座る、立つ、歩くという動きを一日中繰り返していた昔の日本的な生活は、意識しなくても骨盤底筋や内転筋が鍛えられていました。和式のトイレもその典型です。骨盤底筋群はインナーマッスル(深層筋)なので、一般的なウェイトトレーニングや有酸素運動では鍛えられません。有効なのはピラティスやヨガなど。骨盤底筋を使って腟を締める感覚は、おしっこを途中で止める動きをイメージするとわかります」 腟の緩みや、尿漏れ/お湯漏れを改善する手っ取り早いセルフケアは、骨盤底筋群を鍛える腟トレ。ときどき集中してやるのではなく、毎日コツコツ続けることが肝心だ。腟トレや女性性機能障がい治療のエキスパートでもある女性医療専門医の関口先生は、腟トレの方法を次のように説明する。 「筋肉量が低下する40歳以上はぜひやってほしい。出産後の回復ケアにも効果的です。まず、湯船から出たら、腟の中に第2関節くらいまで指を入れて、息を吐きながらギュッと閉めて上にぐっと持ち上げて5秒くらいキープしてから緩めます。これを最初は10回程度、慣れてきたら30~50回程度を習慣に。引き締めて引き上げる感覚を掴んだら、指を入れずに、朝昼晩、思い出したときに腟に力を入れて、骨盤底筋を鍛えましょう」
そして、50歳以降は骨盤底筋の低下だけでなく、外陰部の萎縮による緩みも起こる。 「閉経後3年を過ぎて女性ホルモンが今までの10分の1程度に下がると、半分くらいの女性がGSM(閉経関連尿路性器症候群)に。外陰部全体が萎縮して粘膜が薄く固くなり、腟が緩み、乾燥感、かゆみ、ヒリヒリ、性交痛も。顔や体と同じように、お風呂上りの保湿で常に潤して柔らかくしておくよう心がけて。特に刺激に敏感でない場合は全身用のモイスチャーライザーでOK。デリケート肌の場合は、フェムゾーン専用の保湿アイテムを使いましょう。保湿し弾力や柔軟性がアップすることで腟の緩み感も軽減します」