消えゆく国鉄気動車「キハ40」まだ乗れる路線 北海道や九州、確実に走っているのはどこ?
■明治の木造駅舎とキハ47 2回目の旅は日南線のキハ40系に乗る。翌週の3月16日(土)、再び鹿児島空港に降り立った。空港からほど近い肥薩線の嘉例川駅に向かう。土日祝日に駅弁が売られており、それも目当てだ。素朴だけれど地元の野菜がふんだんで食べごたえもあり、2年連続で九州駅弁グランプリを受賞している。 駅前の公園で春風に吹かれて箸を進めていると、ときおりうぐいすの声が聴こえてくる。やがてやってきた隼人行きはキハ47形の2両編成であった。
この日は鴨池に宿を取った。鴨池には白波スタジアムも大隅半島に渡るフェリー乗り場もある。試合は先日に続き敗戦。翌朝、垂水に渡る。あいにくの雨ですぐ近くの桜島も見えない。このフェリーはうどんが名物で、乗船時間は45分と短いが客はこぞってうどんを啜る。 垂水からは路線バスで日南線の起点、志布志に向かう。志布志までは1時間半ほど。乗客はほとんどいない。この路線の中心地、鹿屋を通る。かつて国鉄大隅線があったが、1987年に廃止された。車社会らしくロードサイド店舗が充実しており、鉄道の面影はない。
13時29分発、油津行きはキハ40形単行だ。雨模様、一面だけのホームにポツンと古びた気動車が停まっている姿は絵になる。志布志湾、日南海岸を眺めて終点の油津に到着。すぐに接続する南宮崎行きに乗り換えていく人が多いが、私はこの駅で降りた。 ■「カープの駅」で途中下車 広島カープのキャンプ地であり「日本一のカープ油津駅」との看板が出ている真っ赤な駅舎。ここには地域活性化の話題になると成功例として経産省などの資料に出てくることで知られている商店街があるので一度訪れてみたかった。
強い雨、15時前という中途半端な時間だからか商店街に人通りはない。コワーキングスペースやリノベーションされた店舗と昔からの商店が共存しており、並行する通りには古いスナック街もある。古くからあるパン屋で買い物し、地域活性化の象徴である「ABURATSU COFFEE」に立ち寄り、新旧両者の雰囲気を確かめた。 2回目と3回目の旅は「旅名人の九州満喫きっぷ」を使った。3回分あるので1回余るが、有効期間の3カ月間に使えばよいので、残りは5月のアウェイ長崎戦に回した。第三セクターにも使えるので、肥薩おれんじ鉄道や南阿蘇鉄道を利用するのに便利だ。