食事の時は"悪魔"に変わる!? "流氷の妖精"はカワイイけど怖い、正式名称「ハダカカメガイ」の謎多き生態
満吉(まんきち)くんは、各時代で話題となった存在と、時空を超えて交流できるという特殊な能力を持つ猫。この愛くるしいキャラクターの生みの親、マルチクリエイターの江戸家猫ハッピーさんが、満吉くんを主人公にした漫画で心が和らぐ物語を紡ぎます。今回は「クリオネ」編です。 【漫画を読む】江戸家猫ハッピーさんが描く「クリオネ編」 ※漫画は、画像ギャラリーでもご覧になれます
半透明で体内が透けて見える、流氷とともに出現
今回登場するのは「クリオネ」です。標準和名(日本語での正式な名称のこと)は、「ハダカカメガイ」といいます。 巻貝の仲間ですが、身体を守る貝殻を持ちません。身体は半透明で体内が透けて見えます。体長は3cmほど。日本では、オホーツク海沿岸で流氷とともに現れます。 この出現領域や水中を羽ばたくように泳ぐ姿から、付いた愛称が「流氷の天使」や「流氷の妖精」。クリオネを飼育している岡山県玉野市の玉野海洋博物館(渋川マリン水族館)のホームページ(HP)には、「胴体の前部にある翼足を動かして遊泳し、その姿から『流氷の天使』と呼ばれています」とあります。
"強力な海の肉食者"が持つ「バッカルコーン」とは
クリオネが優雅に泳ぐ姿は、大手スーパーのCMで流れたこともありますので、見た記憶のある人は少なくないでしょう。ただ、食事の時は、イメージががらりと変わるそうです。 東京大学大気海洋研究所・大槌沿岸センターのHPには、「優雅な姿とは裏腹に、強力な海の肉食者」との記述がありました。渋川マリン水族館のHPでも「見た目はかわいい天使も食事のときは悪魔に!?」と、特徴的な捕食について解説しています。 頭部から、「バッカルコーン」と呼ばれる6本の触手が出て、同じプランクトン性の貝類「ミジンウキマイマイ」を食べるのだそうです。不思議なのは、何も食べなくても、水質が管理された水族館などでは半年以上は生きていけるとのこと。なんとも謎多き"天使"なのです。
江戸家猫ハッピー(Edoya Nekohappy)
マルチクリエイター。動物ものまね芸人「三代目 江戸家猫八」の末娘。 1993年から15年間、俳優・緒形拳に師事。共著「地球徒歩トボ」(学研)では写真を担当した。オリジナルキャラクターである猫の「満吉くん」を通して、地球を楽しむための写真・漫画・グッズなどを発信している。伊豆高原で「猫満福庵」という猫のいるギャラリーをオープン予定。 ・「猫満福庵」https://nekomanpukuan.com/ ・「江戸家猫ハッピー」https://nekohappy.com/