動物たちの昼とは違う顔……札幌・円山動物園が「夜の動物園」
【北海道・札幌】さまざまな季節のイベントを行い、動物園の新たなあり方を模索している札幌市円山動物園が7日、「夜の動物園」を開催、多くのお客さんが非日常の動物園を楽しみました。 この「夜の動物園」は、円山動物園が夏期に恒例イベントとして長く続けて来たものですが、2012年度に夜間延長用の照明設備が新設されたことから、春・秋・冬のイベント期間中にも一夜のみの貴重な時間を提供しています。
夜間開催ならではの苦労も
同動物園経営管理課の伊藤翼さんは「円山動物園に数多くいる夜行性の動物は、昼間とは違った行動や様子を見せてくれます。彼らの生態について知ってもらうと同時に、昼間とは違った夜の園内の雰囲気を楽しんでいただきたいです」とイベントの趣旨を話します。同イベントでは毎回来園アンケートも実施。9割以上のお客さんから「大変満足した」との回答をもらっているそうです。
夜間に動物園を開園するとなると、何かと苦労が多そうですが、同動物園獣医の高江洲昇さんによると、「シンリンオオカミのように夜間に活発になる動物もたくさんいます。しかしながら、昼行性の動物にとっては夜間に賑わうことがストレスになる可能性があるので、一部閉鎖をして動物たちにとって極力負担の少ない環境づくりを心掛けています」という工夫も。
また正門では、1月までの展示予定だったものの大好評のため2月末まで展示が延期されたダイオウイカがお出迎え。さらに、雪上を走り回るレッサーパンダ、飼育員による説明会も開かれたエゾシカ、ド迫力のお食事タイムを見せてくれたシンリンオオカミなど、昼の動物園とは全く異なる生態を見せてくれました。
今後の展望については「『夜の動物園』を含め、例年実施している大きなイベント(『春まつり』(ゴールデンウイークに開催)、『夏の特別展』、『秋まつり』、冬の『スノーフェスティバル』は継続していきます。また、今年の秋には新施設『アフリカゾーン』がオープンするので、こちらも楽しんでもらいたいです」(伊藤さん)とのこと。 ちなみに2月11日・水曜日までは「スノーフェスティバル」というイベントの開催中で、誰でも入場無料となっています。 (ライター・橋場了吾)