“トリプルレッド”で円安加速、「1ドル=156円」台へ…為替介入を考える上での要点を整理【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】
投機筋の動向も要注意で高官発言は重要材料、市場は160円水準を防衛ラインとして意識か
ただ、7月11日の水準は、期間1週間が7%台前半、1ヵ月が8%台半ばでしたので、ボラティリティは唯一の判断基準ではないことが分かります。そこで、別途確認すべきは投機筋の動向です。米商品先物取引委員会(CFTC)によると、非商業部門(投機筋)による円の売り越しは、7月2日時点で184,223枚(1枚は1,250万円)と過去2番目の規模に膨らみ(図表1)、本邦当局は投機的な動きを抑制すべく、介入に踏み切ったと推測されます。 現在、期間1週間のボラティリティは9%台後半、1ヵ月は10%台前半にある一方、投機筋の円売りは、それほど積み上がっていません。為替介入の可能性を探る上では、引き続きボラティリティと投機筋の動向を確認しつつ、高官発言(図表2)も重要な手掛かりになると考えます。なお、ドル円は4月29日に160円17銭水準、7月11日に161円76銭水準をつけており、市場では160円水準が防衛ラインとして意識されやすいように思われます。 (2024年11月15日) ※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『“トリプルレッド”で円安加速、「1ドル=156円」台へ…為替介入を考える上での要点を整理【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】』)。 市川 雅浩 三井住友DSアセットマネジメント株式会社 チーフマーケットストラテジスト
市川 雅浩,三井住友DSアセットマネジメント株式会社
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