子孫のサンド伊達さんも祝福 被災した宮城・山元の大條家茶室が一般公開
宮城県山元町坂元地区にある町指定文化財「大條(おおえだ)家茶室 此君(しくん)亭」が、東日本大震災などで受けた建物被害の修復を終え、一般公開された。町が24日に開いた記念式典で、大條家子孫で仙台市出身のお笑いコンビ「サンドウィッチマン」の伊達みきおさんのお祝いメッセージが披露された。 【動画】サンド伊達さんゆかりの町指定文化財 大條家茶室 此君亭が一般公開 ■伊達さん「祖父・祖母が新婚の折に泊まったようです」 地震の揺れと経年劣化でこけらぶきの屋根や土壁、スギ柱などが損壊したり腐食したりした茶室は、江戸後期とされる創建当時の古材を可能な限り活用し、往時の姿をよみがえらせた。 木造平屋約46平方メートルで3畳強と4畳半、10畳の3室で構成。江戸期に坂元地区を治めた伊達家重臣の大條家が居城とした坂元要害(蓑首(みのくび)城)三ノ丸跡に立つ。1832年、大條家15代当主道直が12代仙台藩主伊達斉邦から拝領した。修復の総事業費は約1億1000万円。うち約1088万円はクラウドファンディング型ふるさと納税を活用した。 式典は茶室近くの坂元小体育館であり、児童や町内の行政区長、町関係者ら約100人が出席。サンドの伊達さんの「大條家茶室には僕の祖父・祖母が新婚の折に泊まったりもしたようです。(中略)非常に貴重な文化財だと思いますし、たくさんの方に訪れていただきたいと思いました」との喜びの声が紹介された。 相方の富沢たけしさんも「宮城では絶対になくしてはならない建物だと思い、自分もお金を出しました」との思いを寄せた。 古建築が専門の永井康雄山形大教授による講演もあった。永井氏は「仙台藩の茶の湯文化を伝える唯一の茶室で非常に価値がある。町民の社交場として活用されてほしい」と願った。 [大條家茶室の利用概要]開館時間は午前9時~午後4時。建物外からの見学は無料。12月1日に、施設内の部屋(1時間1000円)や、東側と西側の庭園(同各500円)の一般貸し出しも始める。月曜と年末年始は休館。連絡先は山元町歴史民俗資料館0223(37)0040。
河北新報