3年前の誓い、パリに向けた“松木玖生”の物語はスタートしていた。カタールの地では余裕を持ってプレー。決勝ウズベク戦にも全力で挑む【U-23アジア杯】
紆余曲折がありながらチェックポイントを通過
3年前にパリ五輪出場という目標を掲げた松木。プロではルーキーイヤーからFC東京でポジションを掴み、31試合で2ゴールを奪った。翌年も主軸としてプレーし、今季はキャプテンに就任。代表では、高3の10月に飛び級でU-23アジアカップ予選に出場し、翌年3月には大岩ジャパンの立ち上げ遠征となるドバイカップのメンバーにも選ばれた。 U-20日本代表でもキャプテンとして活躍し、昨季は3月にU-20アジアカップ、5月にはU-20ワールドカップに出場した。 特にU-20日本代表での体験は唯一無二で、自身初の世界大会では多くの学びがあった。1勝1敗で迎えたグループステージ最終戦は、イスラエルに1-2で逆転負け。数的優位に立ちながらも残り15分で2失点。土壇場でノックアウトステージ進出がほぼ潰えた結果に対して、松木は次のように話していた。 「やっぱり勝負に対する気持ちや、最後に足が伸びてくるところは、日本と海外の差。まだ終わっていないですけど、しっかり個人個人が自チームに帰った時に見つめ直して、レベルアップしていけるようにしていきたい」 最終的にチームは他グループの結果を受け、グループステージ敗退で帰国の途についた。しかし、真剣勝負の場で得た経験は今に生きている。厳しい戦いを味わってきたからこそ、今大会は心に余裕を持ってプレーができていたからだ。 「今大会、自分はすごく気持ちの面で楽にいけている。それはU-20のアジアカップやワールドカップを経験したからこそで、自分にとってのプラスアルファの部分」 紆余曲折がありながら、定めたチェックポイントを通過した。しかし、今大会はまだ終わっていない。アジア・ナンバーワンの称号を掴む戦いが残っている。松木は3年前の言葉を踏まえ、決勝に向けて想いを紡いだ。 「ずっと選ばれたいと思っていたし、やっぱり自分は本当にこの年代で優勝をしたい。その想いがありながら、自分が考える過程では最高のところまで来ているので、あとは目に見える結果にこだわっていくだけ」 泣いても笑っても、あと1試合。全ての力を出し切り、松木は結果を求めて最後の戦い、ウズベキスタンとの決勝戦に挑む。 取材・文●松尾祐希(サッカーライター)
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