兵庫知事「今年の漢字」に「結」 出直し1カ月、混乱の県政振り返り
兵庫県の斎藤元彦知事は18日の定例記者会見で「今年の漢字」として「結」を挙げた。県議会の不信任決議を受けた出直し選で再選され、2期目をスタートさせてから、19日で1カ月。「県政を前に進めるには県議会や市町、県職員、県民の皆さんと信頼関係を結ぶことが何よりも大事だ」と語った。 斎藤氏は「あっという間の1カ月だった。12月議会での補正予算成立が新県政スタートの大きな一歩だ。良い施策を届けて県民に応援してもらえるオール兵庫となる雰囲気と実績を作ることが大事だ」と強調した。 一方、斎藤氏を文書で告発した元県西播磨県民局長(7月に死亡)が公用パソコンに保存していた私的情報とされるデータがネット上で拡散していることについては、準備中の第三者委員会での調査結果を待つ考えを改めて示し、現時点で削除依頼をする考えのないことを明らかにした。 複数の県議が前総務部長から元局長の私的情報とされる内容を伝えられたと証言していることについても、別の弁護士が進める調査結果を待つと説明。組織ガバナンスや相次ぐ調査に公費が投入されることについて、斎藤氏は「県民のみなさんには大変申し訳ない」と述べた。 また、1期目に建設を凍結した県庁舎建て替えについて、斎藤氏は「コンパクトで機能性のある庁舎を作る必要があると判断した」と新庁舎整備にかじを切った理由を説明。実証実験した「県職員の4割出勤」についても、「希望する職員が庁舎で勤務できることが大事だ」と軌道修正を認めた。建設費用については従来計画の1000億円から大幅なコストダウンを図る考えを示した。【中尾卓英、山田麻未、栗田亨】