パキスタン軍が空爆、アフガンで46人死亡 タリバン暫定政権が声明
アフガニスタンを支配するイスラム主義組織タリバン暫定政権は24日、この日の夜に東部パクティカ州が隣国パキスタン軍の空爆を受けたとする声明を出した。暫定政権のムジャヒド報道官は25日、毎日新聞の取材に対して、子供や女性を含む46人が亡くなったと述べた。死傷したのは地元住民やパキスタン北西部から流入した難民だという。 タリバンの国防省は「卑劣な行為を見過ごすことはできない」との非難声明を出し、緊張が高まる恐れがある。パキスタン政府はコメントしていないが、パキスタン治安当局筋はテロ組織の拠点を狙った越境攻撃だったとしている。 パキスタン当局筋は各国メディアに対し、「テロリストの潜伏場所だけを狙った」と説明した。パキスタン軍は今年3月にもアフガン国内のテロ組織を標的にしたとする越境攻撃を実行している。 背景には、アフガンでタリバンが復権した2021年8月以降、タリバンに忠誠を誓うイスラム武装勢力「パキスタン・タリバン運動(TTP)」が勢力を拡大し、パキスタン当局を狙ったテロ事件を繰り返していることがある。 パキスタン側は、TTPなどのテロ組織がアフガン国内を拠点に自国への攻撃を仕掛けていると主張。タリバンは否定しており、テロ対策を巡って両国の関係が悪化している。【ニューデリー川上珠実】