【台湾】セミコン台湾にぎわう 工作機械大手は日台提携PR
台北市の南港展覧館で4日に開幕した半導体関連の装置や材料の見本市「国際半導体展(セミコン台湾)」で、半導体のサプライチェーン(供給網)が、自社製品や技術をPRしている。台湾工作機械大手の東台精機は日系企業と提携した技術を紹介。ファウンドリー(半導体の受託製造)世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が進出した熊本県は半導体関連企業を誘致するために出展した。初日から大勢の来場者が会場を訪れた。【安藤千晶、張成慧】 東台精機は「ウエハー薄化設備」や「ウエハー平坦化ソリューション」を紹介。同社はウエハー加工技術に関して、化合物半導体材料の炭化ケイ素(SiC)加工を手がけるドライケミカルズ(宮城県)と提携しており、ブースではウエハーのサンプルを展示した。 東台精機の厳瑞雄董事長は「台湾企業の設備を利用し、日本企業の技術を加えるという日台協力モデルが継続されることを期待している」とコメント。ドライケミカルズの担当者は、「われわれの先進技術であるレーザーや表面加工技術に関する展示品のサンプルを見て驚く来場者もいた」とコメントした。 ニデック(旧日本電産)のグループ会社はウエハー検査に用いるプローブカードの新製品をPRし、担当者は「未開拓の顧客や製品を必要とする顧客などに向けてアピールしたい」との意気込みを示した。ニデックによると、今後大きく成長が予想される人工知能(AI)半導体関連製品においては微細化や実装の複雑化が進んでおり、これに対応した新たな検査技術が求められている。 ■熊本は投資誘致に意欲 日本の自治体では熊本県が熊本市と共に出展。熊本でのハイテク企業の大規模投資事例や、海外からの交通アクセスの良さ、観光地などを紹介した。担当者は「TSMCの進出により、熊本の半導体業界が盛り上がり、注目度も高まっている。さらなる半導体関連企業の集積に向けてPRしていきたい」とコメントした。 ■群創は事業転換をアピール 液晶パネル大手の群創光電(イノラックス)は昨年に続いて今回が2回目の出展。同社は「チップファースト」「RDLファースト」「TGV」のパッケージング技術製品を展示した。担当者は、これらはAIサーバーや電気自動車(EV)の充電スタンドなどに活用される技術だと説明。その上で「群創は事業転換を進めている」とアピールした。 設備関連企業で働く30代の台湾人女性は「サプライヤーを探すために来場した。TSMCが主要顧客で、新しい材料を探している」と話した。半導体設備企業幹部の50代の台湾人男性は「自動伝送装置、自動化に関する設備を探している。既にめぼしい製品を見つけて、業者と話し合いをしている段階だ」とコメントした。 セミコン台湾は、国際半導体製造装置材料協会(SEMI)が主催し、会期は6日まで。今年は過去最大規模だった前年を上回る約1,100社・団体が計約3,700ブースを出展。主催側は来場者数が8万5,000人に上るとみている。