吉岡里帆、ボイトレ受け挑んだ声優としての新境地 初の吹き替え挑戦「俳優業とは違った楽しさ」
映画『トランスフォーマー/ONE』でエリータの声を務める
俳優の吉岡里帆(31)が米映画『トランスフォーマー/ONE』(9月20日公開)で日本語吹き替えに初挑戦した。大ヒットシリーズの最新作で、トランスフォーマーたちの始まりの物語をリアルCGで描く。吉岡はオリジナル版でスカーレット・ヨハンソン(39)が演じた女性戦士トランスフォーマー・エリータの声を務めた。(取材・文=平辻哲也) 【写真】シックな黒の衣装姿…吉岡里帆の全身ショット 声の仕事に興味があり、長くボイストレーニングを受けてきたという吉岡。このオファーを受けて、吹き替えや声優の指導をしている専門家の指導を受けた。 「ナレーションや日本のアニメーションに出演させていただき、声の仕事はずっとやっていきたいと思っていました。エリータは高く、かわいい声ではなく、響くようなパワフルな声を出せるようにしたいと思い、ボイトレの先生に相談して短期間で仕上げました」と振り返る。 本作はトランスフォーマーの起源を描く物語。『トイ・ストーリー4』のジョシュ・クーリー監督が務めた。サイバトロン星を舞台に、主人公オプティマスプライムと宿敵メガトロンの隠された友情が初めて明らかになる。吉岡が演じたのは、トランスフォームできない労働ロボットのエネルゴン採掘リーダー、エリータだ。 「トランスフォームできない労働ロボットのエリータは初め、いかにも上昇志向の規律を守る、型にハマったリーダーですが、みんなと行動を共にすることで変わっていきます。自分にも、まだまだ可能性があるんだ、自分に期待したり、自分を信じる力に感動しました。そのエネルギッシュさ、諦めない気持ち、弱い自分を見せない、といった部分を大事に演じました」 吹替版では、かつてテレビアニメシリーズを手掛けた岩浪美和氏が音響監督を務める。 「色々と調べさせていただいたら、ファンのみなさんの熱量がすごかったんです。それで、80年代にタカラトミーさんが作ったアニメも見させていただきました。私は洋画でしか観てこなかったので、日本のオモチャから始まったことも、アニメのことも今回初めて知り、親近感が湧きました」 エリータは登場シーンからハイテンションだ。採掘現場のリーダーとして、オプティマスら部下のロボットをしかりつける。 「最初のシーンが一番難しかったです。強さを出すために、何度もやり直しをしましたが、声がかすれてしまって……。岩浪さんの演出で、大事だと思ったのは、声に甘さを出さないこと。『もっと強く、低くいきましょう』と言われて、地声より低いキーを出せるように、何度かトライさせていただきました。エリータがトランスフォームしながらガラスの壁を走るシーンでは、自分でも初めて出す声で、脳がスパークするような感覚がありました。没入感がすごくて、アフレコしながら、汗をかきました」