不法入国し前科ありのクルド人、強制退去に「すぐにまた来る」「私は金持ち」 病院乱闘事件で逮捕されたのに再入国
「日本に来る“難民”の実態を見ていない報道」
確かに日本の難民認定率は3.8%(令和5年)と諸外国と比べて低いのは事実。が、 「日本に来る“難民”の実態を見ていない報道だと思います」 と言うのは、さる入管の関係者だ。 典型的なものとして、ここ数年話題となっている埼玉県川口市に集住するクルド人の例を挙げてみよう。 クルド人とはトルコやイラン、イラク、シリアなどに住む、国を持たない民族。30年ほど前から川口市では、トルコ国籍のクルド人が住み始めるようになり、現在、その数は2000人とも3000人ともいわれる。そのほとんどが難民申請をしているか、それが却下されたものの、入管施設への収容を健康上や人道上などの理由で解かれている「仮放免」の状態にある。 文化の違いもあり、クルド人は地域住民との間にあつれきを起こしてきた。騒音や危険運転、執拗(しつよう)なナンパや地域ルールの逸脱。こうした事例が相次ぎ、地元住民の不安が高まっていたのは、既に多くのメディアで報じられている通りだ。
闘争の地に
「そうした不安が爆発するきっかけとなったのが昨夏の、病院前での乱闘事件です」 とは川口市周辺でのクルド人問題を取材する、ノンフィクション作家の西牟田靖氏。 昨年7月、市内で女性を巡るトラブルによりクルド人同士がけんか騒ぎを起こし、1人が刃物で切られて川口市立医療センターに運び込まれた。 そこに双方の親族や仲間のクルド人が100人以上集まり乱闘に。これによって救急搬送の受け入れが5時間半もストップしたのだ。殺人未遂や凶器準備集合などの容疑で計7名のクルド人が逮捕された。 「これに地域住民は恐怖を感じ、もう我慢できないとSNSなどで怒りの声が次々と広がるようになりました」(同) 以来、この地域では、「クソクルド!」などと叫ぶ勢力と、それに対抗する勢力の間で小競り合いが頻発。闘争の地となっている。
「床に寝そべり“救急車を呼べ”」
逮捕された7名は、後に嫌疑不十分などの理由で全員が不起訴となった。これは埼玉県警にトルコ語を解する職員が少ないためとも指摘されているが、 「7名のうち一人は昨秋、トルコに帰国。しかし、5月に日本に戻ってまたトラブルを起こしていました」 と明かすのは、前出の入管関係者である。 帰国したクルド人男性は25歳。 「2013年に不法入国しました。すぐに退去命令が出ましたが、それに従わず、1年後に難民申請を行いました。その2年後に不認定となった後には暴行容疑、さらにその後、器物破損容疑で逮捕されています」 病院事件が起こった時には、2回目の難民申請の最中だったという。 「事件ではけんか相手の頭や顔を切りつけ、大けがを負わせた末、自分も右の前腕をナイフで切られている。縫合手術をしましたが、予後が悪化し、右の人指し指を切断しています」(同) その後、2回目の難民申請を取り下げ、本人は昨年11月、トルコに帰国したが、 「この5月、弁護士から上陸特別許可を求める上申書が出された。右腕の治療とリハビリを日本で行いたい。また、病院に200万円の未払い金があり、それを支払いたいし、日本に親族もいるから、というのです。もちろん上陸拒否をしたのですが、本人がその日に羽田に来て、“帰りたくない”と床に寝そべり、“救急車を呼べ”と大声で叫ぶ。仕方なく羽田の収容施設に入れました」(同)