デマに気をもむサムスン半導体、「セキュリティの日」運営を決定
最近各種デマで苦労したサムスン電子半導体部門がセキュリティ管理強化次元で毎月「セキュリティの日」を運営することにした。 サムスン電子が先月30日に明らかにしたところによると、半導体事業を担当するDS(デバイスソリューション)部門は最近社内掲示板に7月から毎月第1月曜日(公休日の場合は翌日)をセキュリティの日に定めるという内容の公示を上げた。部門別に情報保護関連専門チームがあるほど普段からセキュリティ管理を徹底しているが、毎月1日を指定して部署長主管で教育し、PCのスクリーンセーバーなどにセキュリティガイドを案内し内部のセキュリティ管理水準を高めるという趣旨だ。サムスン電子は今月初めに「内部情報流出で会社の市場競争力が損われることがないよう注意してほしい」という趣旨の公示を掲示している。 サムスン電子関係者はこれと関連し、「半導体は国家基幹産業のためセキュリティが常に重要な価値。セキュリティ強調は日常化されたもので、(セキュリティの日指定に)大きな意味を与えるものとは違う」と話した。 業界ではしかし、こうした動きが最近の根拠のないデマをめぐる騒動とも無関係ではないと解釈する。先週証券業界では「サムスン電子ウエハーバンク内で事故が発生しウエハー20万枚全量を廃棄することを検討している。被害規模は1兆ウォン」という内容の根拠不明のうわさが出回った。ウエハーとは半導体材料になる薄い原板だ。 サムスン側が「根拠のない怪談」と火消しに出たのに続き、「サムスンDS工程の状況を考慮すれば現在20万枚を生産したということ自体が話にならない説で、信じ難いうわさ」という分析が出て沈静化した。しかし26日の株式市場は取引開始前にこうしたうわさの内容が一部メディアを通じてオンライン記事化され、サムスン電子の株価に一時影響が出た。これに先立ち、5月の全永鉉(チョン・ヨンヒョン)新部門長就任後には「YH(全副会長のイニシャル)会議内容」としながら事実が確認できない長文の怪文書が広がったりもした。 また、先月末にはロイター通信がスクープ報道だとして、消息筋の話としてサムスンの広帯域メモリー(HBM)が米エヌビディアのテストを通過できなかったと報道し対応に追われたりもした。サムスン電子は現在テストが進行中だとして積極的に反論したが、6月初めにエヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)が台湾で開かれた記者懇談会でロイター報道に対して否認してようやく株価は安定を取り戻した。サムスンDS部門内部では「ジェンスン・フアンCEOが釈明して混乱が収まる状況にあきれる」という嘆きがあふれたりもした。 このように根拠のないうわさが作られ拡散する背景には、最近サムスン電子内外で流れ出る危機論が反映されているという分析もある。サムスン電子は人工知能(AI)必須材であるHBMの主導権を競合会社に明け渡した状態だ。ファウンドリー(半導体委託生産)事業でも1-3月期に市場シェア11%を記録し、TSMCのシェア61.7%と50.7ポイントの格差が生じ、前四半期の49.9ポイントより格差がさらに広がる厳しい状況だ。 これに対し、サムスン電子DS部門は先月26日に全副会長が初めて主宰した戦略会議に例年の120人より少ない最小の核心人員だけ参加する中で、核心懸案を討論形式で議論して事業全般を点検し下半期の戦略を立てた。