〈奥能登豪雨〉6人死亡、8人が不明 115カ所で孤立
奥能登を襲った豪雨から一夜明けた22日、輪島市で高齢の男性1人と女性2人の死亡が確認された。増水した河川や倒壊家屋の中から見つかり、このうち2人は安否不明の80代男性と83歳女性の可能性があり、石川県警が身元を調べている。輪島市の国道249号中屋トンネル付近では、男性2人の死亡も確認された。豪雨による死者は計6人となった。珠洲と輪島、能登の3市町で少なくとも8人が不明。道路寸断による孤立集落は3市町で計115カ所に上り、県などが復旧を急いでいる。 輪島市町野町南時国で22日、倒壊した家屋の下敷きになった高齢女性が心肺停止の状態で見つかり、死亡が確認された。奥能登広域圏事務組合消防本部は安否不明になっている米澤辰子さん(83)とみて調べている。 同町寺地では同日、氾濫した町野川沿いの樹木に高齢女性が引っかかっているのが見つかり、同市の塚田川でも高齢男性が救助されたが、いずれも死亡が確認された。 輪島署などによると、中屋トンネルの北側付近で、男性2人が心肺停止の状態で発見され、その後に死亡が確認された。このほか複数人が救助され、負傷者もいるとみられる。 県が把握する「行方不明者」のうち、珠洲市の垂水川に流された70代男性と、能登町の河内川に流された60代女性は22日も見つかっていない。輪島市町野町西時国で倒壊家屋の下敷きになっていた女性(82)は救助された。 県は22日午後5時時点で、行方不明者とは別に「安否不明者」として8人の氏名を公表した。このうち4人は21日、輪島市久手川町の塚田川に住宅ごと流された。このほか、輪島市の3人、珠洲市の1人が安否不明とした。この中に亡くなった男女2人が含まれている可能性がある。 孤立集落の内訳は、輪島市99カ所、珠洲市13カ所、能登町3カ所。 ●氾濫23河川 観測史上最大の雨量により22日までに23河川が氾濫した。珠洲市若山町出田(すった)では若山川からあふれた水が右岸側をえぐり、住宅が倒壊寸前になった。 気象庁は午前10時10分、珠洲、輪島、能登の3市町に出していた大雨特別警報を大雨警報に切り替えた。奥能登の4市町に土砂災害警戒情報を継続し、23日昼前まで厳重に警戒するよう呼び掛けている。