【特集】秘策は「忍者」と「スマートゴミ箱」⁉ 秋の観光シーズンで京都が抱える“オーバーツーリズム”問題 悪戦苦闘する古都の対策と課題
運転手不足と乗り場の混雑両方を解決するために導入したのが、9人乗りの「乗り合いタクシー」です。9月末から、京都駅から金閣寺に向かう乗り合いタクシーを試験的に運行していて、通常のタクシーでは3500円程度かかるところ、「おとな1人2000円」です。 (乗り合いタクシーの利用客) 「京都に来るのは3回目ですけど、金閣寺に行くのが初めてで。バスの乗り場もよくわからないし、人もちょっと多かったので」 Q.ジャンボタクシーで移動できるのは、どうですか? (乗り合いタクシーの利用客) 「乗り心地は良いです」 しかし、試験運行を始めてから約1か月。一便当たり1人程度の利用に留まっています。 (筒井会長) 「お客さまへの周知が足りないと思いましたので、しっかり知っていただくこと。これが一番の課題かなと思っています」
観光地の住民悩ます「ゴミ問題」 “スマートゴミ箱”導入も課題山積
また、交通機関の混雑と並んで地元住民を悩ませているのが、ゴミの問題です。嵐山で米を販売している店では、長年、“ポイ捨て”に悩まされてきたといいます。 (米のおかべ・岡部芳治店主) 「テイクアウトで食べたものを捨てる場所を探して、うろうろしている。うちの場合は、自動販売機の前にゴミ箱を3つ置いていますので、そこへ捨てる。あふれてきたら、見た人がその周辺に捨てるという」
2023年から京都市が、嵐山の名所・竹林の小径に高性能な「スマートゴミ箱」を設置しました。自動でゴミを圧縮し、1台でゴミ箱4~5台分の役割を果たします。しかし…。
(読売テレビ・藤枝望音記者) 「スマートゴミ箱から、ゴミがあふれ出しています」 スマートゴミ箱でも、週末の夕方には、この有り様に…。辺りに悪臭が漂います。ゴミ箱がいっぱいになると市の担当者にメールで通知される仕組みですが、この場所は日中、車両の通行が規制されるため、回収することができません。
(嵐山商店街・石川恵介会長) 「ゴミが出ない町が一番良いんですけど、今や食べ歩きも文化になっていますし、難しいです」 試行錯誤が続く、京都のオーバーツーリズム対策。「観光客の受け入れ」と「地元住民の生活」が両立できる日は、果たして来るのでしょうか。 (「かんさい情報ネットten.」2023年11月16日放送)
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