【朝日杯FS回顧】勝敗を分けたのは順調度 勝ち馬ジャンタルマンタルと素質馬シュトラウスの課題とは
可能性を感じるエコロヴァルツ
2着エコロヴァルツは福島と札幌の芝1800m戦で連勝を決めており、高速決着やマイルへの対応がカギだったが、後方から直線にかけるという戦法で、解決を図った。前半がタイトになり、後半、時計を要したことで、2着まできた。この戦い方を見る限り、本質は中距離以上だろう。これまで先行してきて、追い込みに対応できたのは収穫で、自在性を感じる。まだまだ底は見せておらず、可能性を感じた。 3着タガノエルピーダは先週の阪神JF除外で、牡馬相手のここに挑戦してきた。1戦1勝ながら、陣営にはよほど手応えがあったのだろう。そして、それを証明できた。タガノエルピーダが牝馬同士、特に阪神JF上位組と対戦し、どこまで戦えるか。これによって朝日杯FSと阪神JFの差をつかめる。兄弟はタガノディアマンテ、タガノバルコスなど牡馬は中長距離に強い馬がいて、距離の融通も利きそうだ。キズナ産駒の牝馬なので、マイラータイプの可能性もあるが、2000mぐらいまではこなせそうだ。 ライタープロフィール 勝木 淳 競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。新刊『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。
勝木淳