『バイオハザード アウトブレイク』が発売された日。シリーズ初のオンラインマルチプレイに対応した意欲作。ゾンビとなって人を襲える仕掛けも【今日は何の日?】
※本記事は、2023年12月11日にアップした記事を再編集したものです。 時代を先取りしていた『バイオハザード』の番外編 【記事の画像(8枚)を見る】 いまから21年前の2003年(平成15年)12月11日は、プレイステーション2用『バイオハザード アウトブレイク』が発売された日。 『バイオハザード アウトブレイク』は、カプコンから発売されたホラーアクションアドベンチャーゲーム。ホラーゲームの金字塔『バイオハザード』シリーズのスピンオフ作品にして、初となるオンラインマルチプレイ対応ソフトだ。 当時はまだまだ家庭用ゲーム機のオンライン環境が整っていない時代だったがゆえに、マルチプレイを楽しめた幸運なプレイヤーには強烈なインパクトのある作品として思い出に残っているんじゃないだろうか。かなり時代を先取りしていたため、現代でリメイクを望む意見も多々見られる。 ゲームの時間軸は『バイオハザード2』や『バイオハザード3 LAST ESCAPE』とほぼ同じ。クレアやレオン、ジルらがサバイバルをくり広げる裏側で、一般市民たちが混乱するラクーンシティで生き抜こうとあがき続ける姿が描かれる。 いわゆるグランドホテル形式の群像劇のようになっていて、たまたま同じ場所に居合わせた8人の市民たちが力を合わせて脱出を目指す。オンラインマルチプレイ対応(オフラインでソロプレイも可能)のためか、本編シリーズのような長編ではなく、舞台の異なる5つの短編シナリオになっていたのも本作ならではの特徴だ。 ユニークなのは、主人公たちのほとんどが戦闘訓練を受けていない一般市民だということ。現役警察官や元軍人の警備員もいるが、ウェイトレス、医師、新聞記者、地下鉄駅員、配管工、自称大学生といった一般人のほうが多数を占める。オンラインの場合はプレイヤーと、オフラインの場合はAIキャラクターと必ず3人で行動をともにするところも『バイオハザード』としては新鮮だった。 キャラクターごとに固有のアイテムとアクションを持ち、それぞれが状況に応じて持ち味を活かすことが攻略の鍵となっていた点もおもしろい。本作はアイテムをわずか4つしか持てなかったのだが、日系人のヨーコ・スズキはナップザックを背負っているため8個までアイテムを所有できた。ほかのプレイヤーが持てない有用なアイテムを代わりに持ったりできるので便利。そのうえ、短時間だけ無敵状態でその場から離脱可能な“エスケープ”というアクションが強かった。 新聞記者のアリッサ・アッシュクロフトの場合は、キーピックでの解錠やバックステップで特殊な回避ができたし、医師のジョージ・ハミルトンならメディカルセットを用いて回復カプセルの制作や“かわしタックル”といった特殊技を発動できた。このような個性を活かした立ち回りというのは『アウトブレイク』特有で非常に楽しかった覚えがある。 また、自由にチャットはできず、意思疎通はもっぱら“アピール”を使って行われた。これはキャラクターの名前を呼んだり、ジェスチャーとともに「ゴー」や「ヘルプ」といった簡単な定型ワードをしゃべるだけの代物なのだが、いくつか組み合わせると案外伝わるところがおもしろかった。 慣れてくると雑に使われ出して、重要なアイテムだが自分が持ちたくない場合などに「ジョージ、GO!」とか言って相手に持たせたりして大いに笑った。極まってくると3人が3人とも「お前が持てよ」と言わんばかりに擦り付けあって、互いが互いに「GO!」を出しまくった思い出がある。 『アウトブレイク』では体力がゼロになってもすぐ死ぬことはなく、這いずり状態となって粘れるのも風変わりなポイント。もちろん、その間に仲間に助けてもらえばセーフとなる。這いずり中は代わりに“ウイルスゲージ”がどんどん上昇。これが100%になると死亡となり、ゾンビ化してしまう。 オンラインプレイ時は、何とゾンビ状態のキャラクターをプレイヤーが動かすことが可能で残った仲間を攻撃できるから嫌らしかった。筆者などは野良プレイ時に襲われたときは「ふざけるな!」と本気で怒っていた気がする(笑)。 2004年9月9日には、続編『バイオハザード アウトブレイク FILE2』が発売。新たなシナリオやアクションが追加されるなど、正統的な進化版となっていた。