「池江璃花子選手の“がまん強さ”の秘密」親が心を鬼にしてでも教えなければいけないこと
子どもが言うことを聞かないのは、親の接し方が原因?
子どもが言うことを聞かず、毎日がバトルのよう……。そんな経験はありませんか? 実は、そういった子どもの行動は、親の接し方が大きく影響しているかもしれません。 【こちらも話題】池江璃花子選手の母が振り返る「なぜ、璃花子が14歳で日本代表になれたのか」 そこで今回は、水泳の池江璃花子選手の母である池江美由紀さんの著書『子どもの心と才能が育つ【池江式】魔法の言葉』から“主導権は親が取る”と“がまんを教える”というトピックスをご紹介します。 「なぜ、子どもは言うことを聞かないのか?」 池江美由紀さんが語るその答えは、実はシンプルです。それは、「親が主導権を握っていないから」 その詳しい理由を紐解いていきましょう。 ※本稿は、池江美由紀著『子どもの心と才能が育つ【池江式】魔法の言葉』(PHP研究所))を一部抜粋・編集したものです。
主導権は親が取る
「子どもが、言うことを聞いてくれなくて……」 と言うお母さんの悩みを耳にすることがあります。 たしかに、何でも親の思いどおりにはいきませんから、子育てにそんな悩みがつきものであることはわかります。 でも、ちょっと考えていただきたいことがあります。それは、親と子の、どちらが主導権を握っているのかということです。 子どもに対して、いつも場当たり的な対応をしていると、子どもは自分のペースに巻き込もうと、あの手この手で親を試すようになります。 泣く、ぐずる、大声でわめく、かんしゃくを起こす……などなど。これらは親を困らせることで、結果として自分の要求をかなえようとしているのです。 それに負けて子どもの言いなりになったり、親が言うことを曲げてしまったりすることは、親が子どもに主導権を渡していることを意味します。 たとえば、我が家では、食事はきちんと席に座って落ち着いてするものだと教え、もしもそうしなかったら、食事はすぐに下げる、という約束をしていました。仮に子どもたちが食事中に歩き回ったりしたら、𠮟ったりせず、すぐに食器を片づけて、次の食事時間まで何も食べさせませんでした。 ところが、主導権を持っていない親は、口先だけで𠮟ったり、小言を言ったりはしても、結局は子どものペースに合わせてしまいます。結果、食事の途中で歩き回ったり、遊び始めたりしているにもかかわらず、なんとか食べさせようとして、よけい混乱に陥るのです。 子どもは何の先入観もなく生まれてきます。そして、生まれたあとの環境をすべて受け入れます。親がいけないと教えたことはしませんし、こうするのが正しいと教えたことは必ず理解するものです。 子どもの態度は、親の態度の反映です。親がぶれるから、子どもは聞き分けがないのです。 親が、「食事中は座りなさい」と言ってはいても、実際の態度では歩き回ることを許していれば、子どもは自分の好き放題にしてかまわないのだと学習します。 主導権が曖昧だから、こんなことが起こるのです。これは子どもが大きくなればなるほど修正が難しくなり、子育てが難しくなります。 親が主導権を持つことは、子育てで最も大切なことです。正しいことは正しい、いけないことはいけないと、子どものためには心を鬼にしてでも教えなければなりません。それは親にしかできない務めなのです。 【ポイント】 親が主導権を持っていれば、子どもは泣いたり、ぐずったり、わめいたりしない。子どものペースに巻き込まれないように、親がしっかりと主導権を持つことが大切。